ディー・エヌ・エー(DeNA)は10月28日、2009年3月期の通期業績予想を下方修正すると発表した。主力サイト「モバゲータウン」において、アバター関連の売り上げの減少が続いているためだ。
4月時点での予想から、売上高を50億円、営業利益と経常利益を30億円、純利益を10億円引き下げる。
主な要因は、売り上げの半分を占めるモバゲータウン事業の売り上げが、2008年3月期第4四半期をピークに減少しているため。バナー広告やタイアップ広告などは堅調だが、ユーザーがアバターアイテムを購入するためのポイント「モバゴールド」をためられるアフィリエイト広告や、アバターアイテムの販売額が減少している。「9月はアバター関連の売り上げが落ち込んだ。10月は悪くない状況だが、下げ止まったと断定するには早い」(代表取締役社長の南場智子氏)
同社がユーザー調査をしたところ、「今のアバターで満足している」という回答が返ってきたという。つまり、これまでアバターを着せ替えするためにアバターアイテムを購入していた層が、着せ替えをしなくなってきたというのだ。そこで下期は、動く3Dアバターを導入するほか、ゲームなどとの連携を図ることで、アバターの利用促進を図る。ただし、こういった新規施策の効果は「売り上げが再び伸びる可能性はあるものの、予想しにくい」(南場氏)として、通期の業績予想には織り込まなかった。
このほか、モバゲータウンではアイテム課金制を導入したゲームを導入しており、新規タイトルを拡充することで新たな売り上げの柱とする考え。8月に正式版を開始した釣りゲーム「釣りゲータウン」が正式版開始から17日で会員数100万人を突破したほか、メールを利用したロールプレイングゲーム「エルアーク」も43日で同100万人を突破するなど好調で、下期のモバゲータウン売り上げ全体の5%を占めるようになるとみている。
日経平均株価が一時7000円台を下回るなど、株式市場の低迷や景気の悪化が懸念されているが、DeNAではこれらの影響はあまりないとみている。同社は携帯電話向けのEコマースや個人課金の割合が高く、こういった分野は不況の影響を受けにくいためだ。また、現金資産を豊富に保持していることから、積極的なM&Aについても視野に入れているとのことだ。
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