「Android」は無料で入手できるオープンソースのOSかもしれないが、Googleは開発を支援することで利益を上げたいとする考えを取り下げていない。そして、まもなく登場するGoogle初のAndroid携帯であり、HTCが製造する「T-Mobile G1」で、その方法がより明確になるだろう。
Googleの幹部は、Androidの間接的なメリットについて、携帯電話を使ったネットの閲覧における利用および高度化の促進にAndroidを利用したいと考えていると語っている。共同設立者であるSergey Brin氏は、「インターネットが幅広く利用できるようになれば、Googleにとってよいことだ」と述べた。
しかし、筆者がG1をテストした限りでは、Googleは、自社のオンラインサービスのユーザーを増やすという、より直接的なメリットも望んでいるようだ。G1の所有者がMicrosoft、YahooといったGoogleのライバル会社のオンラインサービスを利用するのを妨げるものは何もないが、GoogleのテクノロジはG1の奥深くまで組み込まれており、至る所で見受けられる。
もちろん、検索広告はGoogleの主要な収入源だ。Androidのウェブブラウザではほかの検索エンジンも使えるが、G1のホーム画面のアイコンにはGoogleの検索ボックスが目立つように置かれている。この検索ボックスを変更して、MicrosoftやYahooの検索エンジンを利用できるようにするオプションは用意されていない。
よりパーソナルな内容になると、その結びつきはさらに深くなる。Android携帯を最初に起動すると、Googleのアカウント情報が求められる。ユーザーがGoogleアカウントを持っている場合、すぐに、連絡先やカレンダーの予定、および「Gmail」のメッセージが取り込まれる。少なくとも、Androidの開発の現段階では、YahooとMicrosoftにはこのような待遇はない。
これらのパーソナルサービスとのつながりが意味することは明確だ。比較的匿名性の高い行為である検索に関して、Googleは勝利を収めているが、電子メールや写真の共有、ソーシャルネットワーキングといったサービスのよりパーソナルな利用に関しては、それほど進んでいない。Googleは明らかに、Androidにより、インターネットユーザーとの直接的なつながりを確立したいと考えている。
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