人に電話をかけたときに、発信者側の耳元に聞こえてくる呼び出し音。この音は、携帯電話事業者の耳には、心地良く響いていることだろう。調査会社のMultiMedia Intelligenceが米国時間8月19日に発表したリポートによると、その音色は甘くなっていく一方になりそうだ。
同社によると、2012年には呼び出し音が携帯電話事業者に47億ドルの売り上げをもたらすと見込まれているという。これは現在の売り上げの3倍である。携帯電話ゲームの売り上げには及ばないが、呼び出し音は携帯電話業界にとってもっとも魅力のあるモバイルコンテンツになろうとしていると、同調査会社は述べている。
同調査会社のチーフリサーチオフィサーであるFrank Dickson氏は「消費者の人気が高く、DRMや違法行為からのインパクトが最小限に抑えられるという、成功のための要素を兼ね備えているため、呼び出し音は、早くも携帯音楽市場で『期待の星』になりつつある」と同社のプレスリリースで述べた。
呼び出し音は、携帯電話事業者にとって金の成る木であることがわかってきただけでなく、音楽業界のデジタル音楽戦略にとっても重要な要素である。ここ数年、音楽業界はCDの売り上げが落ち込むという苦境にある。消費者がフル楽曲と着信音と呼び出し音のそれぞれにお金を出す時代だからこそ、デジタル配信と携帯電話は(携帯電話事業者と音楽業界の)売り上げを伸ばすのに貢献している。
例えば、Verizon WirelessではPCにダウンロードする場合、標準の着信音を2.99ドル、呼び出し音を1.99ドル、フル楽曲を99セントで販売中だ(Verizon Wirelessは、まとめて着信音と呼び出し音の楽曲を買った人には20%の割引もしている)。
呼び出し音と着信音は、携帯電話事業者と音楽業界に対し、同じコンテンツで何度も収入を得るチャンスを提供している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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