エイチ・アイ・エス(HIS)は今秋にも、大手旅行業として初めて、携帯電話のウェブサイト上で海外航空券を予約・購入できるサービスを開始する。現在は、ウェブ上で利用したい航空機の空席状況を確認した上で、HISに直接電話で申し込む方式だが、新サービスの導入により、予約から支払いまでをウェブ上で完了できるようになる。
若い世代を中心に、パソコンを持たずに、携帯電話のウェブサイトで趣味や旅行などの情報を収集する人が増えていると判断。携帯電話サイトのワンストップショッピング機能によって、こうした顧客層を取り込み、サービス向上につなげたい考えだ。
決済については、クレジットカードのほか、電子マネーや店頭での支払いといった複数の方法を検討している。すでにパソコンのホームページ上で提供しているホテルや海外レンタカー、現地ツアーの予約や購入も、携帯電話サイトのサービスとして順次、追加する計画。携帯サイトの機能充実を図り、集客力の強化を目指す。
日本航空と全日本空輸の航空2社は、NTTドコモの「iモード」サービスが始まった1999年にいち早く携帯サイトでの予約・購入サービスをスタート。航空機による移動の多いビジネス客が主な顧客になっている。現在、航空券販売の7割近くがウェブ販売だが、携帯電話サイトの利用率は日航でネット予約の10%、全日空で全販売数の6%にとどまっている。
しかし、日航、全日空ともに携帯電話の機能向上やサイトの充実によって、「今後、利用者数は着実に伸びる」と予想。航空券販売の主流になる可能性もあるとしている。
旅行会社の携帯電話サイトは現在、国内外の旅行情報提供や宿泊施設の予約サービスが主流。若年層の顧客が多いHISが航空券の予約・販売に乗り出すことで、他の旅行業者が追随する可能性もある。
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