3台目の「iPhone 3G」も相変わらず会話の途中で切れる事態が頻発したことで、Ryan Shaw氏はもううんざりだった。
「3Gネットワークの安定した通信を維持できないという点で、この電話にはがっかりだった……ほかの機能はすばらしかったのだが」と語ってくれたShaw氏は、クリーブランド郊外に住む営業職だ。そのすばらしいと評する諸機能も、同氏が、携帯電話をVerizonと「BlackBerry」に戻すのを止めることはできなかった。不都合さのほうが勝ると判断したのだ。
AppleとAT&Tが2代目となるiPhone 3Gを発売して以来、同機の受信状態に関する不満はインターネット中に広がっている。両社は問題はないと主張しているが、電子メール、職場などでのうわさ話、Appleのサイトにあるメッセージボードなどで、苦情は積み重なっている。エリア内における3Gネットワークへの接続と、接続の維持について、iPhone 3Gの利用者は問題を抱えている。
利用者は次のように話している。iPhone 3Gは移動していない状態でさえ、3GネットワークとEDGEネットワークとが切り替わる。また、3Gの電波が強い環境を移動中にもかかわらず、通話の途中で受信状態が失われる。AT&Tのほかの3G対応携帯電話を使っている友人からはこんな問題は聞かれない。問題はAT&Tのネットワークに限定されるものではないらしい。というのも、米国以外のiPhone 3Gユーザーも同様の問題を報告している。
察しがつくだろうが、3Gネットワークを活用しようと待望のiPhone 3Gを購入した多くのユーザーにとって、この状況は受け入れられるものではない。Appleは宣伝でEDGEネットワークの「2倍速い」と約束しているのだ。ユタ州プロボ在住のiPhone 3G所有者David Howard氏は「正直なところ、こうなると知っていたら月に10ドル余計に払う気はなかった」と話している。
ここ1週間ほど、問題自体を認めさせるのはとにかく、せめて大騒ぎが起きているという事実をAppleとAT&Tに認めさせようという試みが繰り返し行われてきたが、無駄に終わっている。Appleは質問に答えようともせず問い合わせをAT&Tへ回し、AT&Tは同社のネットワークでのiPhone 3G利用について、広範な問題はまったく生じていないと主張した。
AT&Tの広報担当者であるMark Siegel氏は「iPhone 3Gは非常にうまく機能していると認識している。問題を抱えている人がいることは否定しない。しかし、そうした人々にはケースバイケースの原則で対応するべきことだ」と語った。
インターネットのメッセージボードへの投稿の場合、問題の実際的規模を見定めるのは難しいのが通例だ。声の大きい少数派が比較的小さな問題に腹を立てて、実際以上の騒ぎに膨らませている可能性がないではない。しかし今回は、さまざまな人々がインターネットに押し寄せ、受信問題についてイライラをぶちまけ、解決法を探しているし、さらに、そうした人たちに数多くの同調者が現れている。
詳細なテストもなしに、通話の中断やネットワーク接続の制限が何によって引き起こされているのか、確かなことを言うのは難しい。いちばん考えられるのは、問題の原因がAT&TのネットワークとAppleの端末のどちらか片方にあるのではなく、両者の組み合わせにあるということではないだろうか。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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