Linux Phone Standards(LiPS)ForumがLinux Mobile(LiMo)Foundationと統合することを発表したのに続いて、モバイル機器向けの「Linux」の標準化の試みが無期限に延期された。
米国時間6月26日に発表されたこの統合は7月に行われる予定である。
LiPS Forumは、LiMo Foundationが発足する約7カ月前の2005年11月に結成された。2つの団体は多くの点で相補的な関係にあった。LiPSはモバイル機器向けのLinuxの正式な標準を策定したいと望み、LiMoはオープンソースのモバイルプラットフォームの共同実現を望んでいた。LiPSは実際、2007年12月に最初の仕様をリリースしたが、現在、さらなる標準化の取り組みは事実上延期されている。
Googleが主導するOpen Handset Allianceなどの新しいモバイルオープンソースグループから競争圧力がかかり始めたこと、業界が正式な標準よりも早期市場投入に関心を持つようになったことから、Trolltech、Orange、Accessを含むLiPSの多くのメンバーがLiMoに移行し始めていた。
LiPSのトップを辞任するBill Weinberg氏は2008年6月26日、CNET News.comの姉妹サイトであるZDNet UKに対し、「LiPSはかなり正式な方法で標準化団体として設立された。一方、LiMoは、自身の説明によれば、より実際的なアプローチで実現を成し遂げようとしている。LiMoは標準化を審議する団体ではない。LiPSは当初、LiMoを始めとする団体に情報を提供する立場にいた。LiPSは会費だけでなく、かなりの時間とエネルギーを投資した。当初、(LiPSとLiMoは)相補的な関係だったが、(今では)その場限りの標準(に関心が集まっている状況)だ」と述べた。
LiMoのトップを務めるMorgan Gillis氏は25日、ZDNet UKに対し、LiPSは「モバイル機器向けのLinuxの統合に向けて非常に真摯に努力していたが、LiMoが提供した異なる解決策の方が業界にとって魅力的だったということだ」と語った。また、モバイル機器向けLinuxの正式な仕様を策定するという発想は終わったのかという質問に対し、「LiPSのすべての(知的)財産はLiMoに移管されることになっており、これを十分に活用したいと願っている」と述べた。
Weinberg氏は、「(標準化プロセスが今や廃れたのかどうかは)わからない。LiMoのような団体や『Android』などの成果から、事後により正式な標準が誕生するかもしれない。問題なのはスピードだ。標準化団体は審議と威厳を重視して運営を行う傾向があるが、業界関係者の主な関心は、使えるコードを手にすることだ。業界の切迫感は、他の企業にせきたてられているという思いによるものだ。途中で切迫感が生じた場合、中途での変更や計画の変更が行われることがある」と述べている。
Weinberg氏は、今回のスピードの変化は、Appleの「iPhone」の投入の間接的な結果ではないかと推測している。「言うなれば(中略)ドミノ効果だ。iPhoneの発表によって、Googleは少し異なる見方で携帯電話市場を見るようになり、切迫感を抱き、方針を変えた」(Weinberg氏)
「iPhoneが登場する前、Googleは電話のようなプラットフォームを提供するつもりはなかった。AndroidはLinux(プラットフォーム)ではなくむしろJavaベース(のプラットフォーム)だ。これら2つの発表の後、Linuxを中心とする共同実現への投資を継続する方法として、LiMoのような団体への関心が高まった」(Weinburg氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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