2006年10月にはボーダフォンからソフトバンクへブランド名の変更。そしてMNP(Mobile Number Portability)の開始。それ以降、持ち帰り料金無料の割賦販売を開始したり、インセンティブが廃止になったりと、かつてない激動の時代を経験した携帯電話業界。
加入契約数は2007年に1億台を突破し、純増数が頭打ちになりそうな中、各キャリアは端末を競うように大量投入し、以前にも増して注目を集めてきている。このような中、販売店はどのような対応をし、ユーザーの動向はどのように変わってきたのだろうか。
10年に渡り、携帯電話売り場を担当するヨドバシカメラ マルチメディアAkiba店 マネージャの岩間 進氏に話を聞いた。
端末の魅力で買われる方はすごく多くなりましたね。ただし、新製品が登場する時期と、ひと段落している時期では違いがあります。新製品が登場する時期だと、機能について、何がどう違うのかといったように、携帯電話について質問されるお客様が多くなります。
だいたい、2機種から3機種に絞ってきて、売り場で実際に動作する端末を見たり、販売員に質問したりして、最終的に決められる方が多いようです。
また、デザインを重視するのか、機能を重視するのか、その2極化が進んでいるように感じています。一方、ひと段落している時期だと、新機種の機能よりも価格が重視されます。安い機種はどれかとか、どうしたら料金が安くなるのかなどを質問される方が多いですね。
以前はモックだけでしたが、6年ぐらい前に、ヨドバシカメラの店頭に実機を置かせてもらうように頼みました。触れられることは魅力になりますから。お客様に立ち止まってもらうポイントが実機を展示しているコーナーなんです。
売り上げ全体から見ると、MNPでキャリアを変更される方の割合は大きくないんですよ。当時はボーダフォンからソフトバンクに変わったときの方が、大きく変化がありましたね。ソフトバンクが実施したお持ち帰り価格が0円で、2年間に渡って分割で携帯電話の端末代を払う割賦方式は、見た目の部分で安さを全面に出していましたから。また、商品ラインアップもそろえてきましたし、安さとラインアップは魅力的でした。
実際に使ってみると、ちゃんとつながることがわかるので、ソフトバンクを新規で買われる方はとても多かったんです。
いまソフトバンクがある場所は、昔はauがありました。ボーダフォンの時代は一番奥でした。新しい勢いがあるキャリアのため、店頭の一番目立つ位置に変えたんです。新しいお客様を取り込みたい気持ちがありました。そして、ソフトバンクの売り上げ自体も上がったのです。
auは、もともと支持されているお客様が多く、コンスタントに売れていたので、売り場が変わった影響は少なかったですね。MNP開始後あたりからソフトバンクは伸びました。NTTドコモは一時期売り上げが落ちたのですが、905iシリーズの登場で巻き返してきました。auはコンスタントに売れ続けています。
売れ行き自体は変わりません。分割方式の販売になってから競合他社との競争もなくなりましたので、売りやすくなりました。その分、競合他社との差別化に心がけています。Akiba店に限っていえば、大きな売り場面積が武器になると思っています。多くのお客様が、さまざまなところに置いてある機種を見て、楽しんで買っていただければと思っています。販売員も100人程度揃えていますので、商品について聞きたいことがあっても販売員がいないということはありません。この点が強みになります。
一括で購入される方と、割賦販売を利用される方はちょうど半々ぐらいです。おそらく、一括で購入するとヨドバシカメラゴールドポイントが付くので、利用されている方が多いのだと思います。機種にもよりますが、5000ポイントぐらい付くんですよ。携帯電話を購入するのと同時に、ほかのお買い物をされる方もいらっしゃいますので、携帯電話のアクセサリーを近くに置いています。
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