携帯電話販売店大手2社が合併、市場飽和で業界再編へ

永井美智子(編集部)2008年05月22日 16時43分

 携帯電話の契約者数が1億件を突破し、市場が飽和状態を迎えている。このことは、携帯電話の販売代理店にも大きな影響を与えている。

 携帯電話販売代理店の最大手であるテレパークは5月22日、業界大手のエム・エス・コミュニケーションズを10月1日付けで合併すると発表した。市場が飽和する中で、営業基盤を強化するとともに、経営効率を高めるのが狙いだ。

 テレパークは三井物産を親会社に持つ携帯電話販売代理店で、日本経済新聞調べによればシェア8.3%と業界トップ。一方のエム・エス・コミュニケーションズは、住友商事と三菱商事が株主で、シェア7.4%と業界2位だという。また、両社によれば2008年3月期における、合併前の両社の年間携帯電話販売台数の合計は約760万台で、市場全体の約15%のシェアを占めるとのことだ。

 合併に至った背景について、テレパークは「市場の成熟化による競争激化に伴い、販売代理店の再編が加速するにつれて、資金力、組織力、情報力を備えたスケールメリットを活かせる大手販売代理店の優位性が一層高まることが予想される」と説明している。また、携帯電話端末の高機能化や料金プランの多様化により、携帯電話の販売に多くの説明が必要になっており、質の高い販売員を数多く抱える必要があるとのことだ。

 今後は、市場成長が見込まれる法人顧客向けの携帯電話販売市場において、三井物産、住友商事および三菱商事の各グループの力を活用することで販売を拡大する。

 今回の合併に伴い、特定株主の持ち分比率を下げるために、両社はそれぞれの株主から一定数の自己株式を取得する。テレパークは1株9万6000円で、5万673株を公開買い付けする。ただし、同数を三井物産が応募することを明らかにしている。また、エム・エス・コミュニケーションズは1株当たり210万2400円で、住友商事と三菱商事から2050株ずつを買い取る。これにより、三井物産、住友商事、三菱商事の3株主の持株比率は、それぞれ22.8%となる予定だ。

 テレパークの2008年3月期の業績は、売上高が3755億2400万円、営業利益が73億2400万円、純利益は40億2800万円。エム・エス・コミュニケーションズは売上高が3246億600万円、営業利益が83億2300万円、純利益が43億5500万円となっている。

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