ラスベガス発--突然だが、「iPhone」の入手が非常に難しくなっている。
2〜3週間前、ニューヨークでiPhoneを求める客が、マンハッタンにあるAppleの小売店はどこもiPhoneが品薄状態だと語っていた。米調査会社Piper JaffrayのアナリストGene Munster氏は、全米各地のApple販売店20店に電話をかけ、iPhoneの在庫不足が全米に広がっていることを確認した。AppleのオンラインストアもiPhoneの出荷まで5〜7日待ちと伝えている。
通常、ある製品が在庫不足に陥る理由は3つある。1つは、需要が企業の供給能力を上回る場合だ。しかし、今回はこの理由は当てはまらないだろう。iPhoneが発売された最初の週末以来、Appleは問題なく需要を満たすだけのiPhoneを供給してきた。また、過去2〜3週間に需要が急増した兆候も見られない。Appleは3月上旬にiPhone 2.0ソフトウェアを発表した。この発表に一部の人は狂喜乱舞したかもしれないが、同ソフトウェアそのものが提供されるのは6月だ。
2つ目は、製造または供給プロセスのどこかで問題が発生し、それが原因で流通が滞る場合だ。今回の場合、例えば、まだ明るみに出ていないだけで、iPhoneのタッチスクリーンなどの精密部品に問題が発生した、という可能性もある。Munster氏は、その可能性は20%と語る。
3つ目は、企業が新製品の発売前に意図的に在庫を一掃する場合だ。これは、ハイテク業界ではありがちなことだ。実際Appleも2月末の「MacBook Pro」の発売前にそれを行った。Munster氏は、これがiPhoneの在庫不足の原因である可能性が80%と見ている。
3G版iPhoneの発売は誰もが待ち望んでいる。今回のiPhoneの品薄問題は、3G iPhoneの発売が間近に迫っている兆候の可能性もある。これまでのマスコミ報道では、3Gモデルの発売は5月〜9月のいつかとされてきた(誰か賭けをしたいというなら、私は9月に開催されるiPodと3G iPhoneのイベントに賭ける)。しかし、仮に今回の在庫不足が本当に先延ばしされている3G iPhoneの発売と関係があるとしたら、発売は大幅に早まる可能性もある。
しかし、この理論には1つだけ潜在的障害がある。米国では、国内で販売するすべての携帯電話について米連邦通信委員会(FCC)の認可を受けることが義務付けられている。そして、FCCは試験結果をウェブサイト上で公開する傾向にある。Appleの最高経営責任者(CEO)、Steve Jobs氏は、最初のiPhoneを2007年1月に発表して、6月に発売した理由の1つとして、上記の事情を挙げた。
3G iPhoneの発売が早まるとすれば、恐らく6月のWorldwide Developers Conferenceか、あるいはiPhone 2.0ソフトウェアのリリースまでになるだろう。しかし、仮にAppleが本当に3G iPhoneの早期発売に向け準備をしていたとしたら、Appleが同モデルを発表せざるをえなくなるか、あるいはガジェットに飢えた人々が最初にそれを発見するかのどちらかだ。しかし、最初に発表し、その後しばらくしてから出荷する方法の問題点は、3Gモデルが発売されるまでの数週間、あるいは数カ月間にiPhoneの売り上げが急減速する可能性があるということだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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