無線機器メーカーNokia Siemens Networksは現地時間3月27日、2.5G EDGE(Enhanced Data for GSM Environment)無線技術を使ったネットワークでダウンロードを2倍以上に高速化するソフトウェアを発表した。
これは、AT&TのEDGEネットワークを利用する第1世代のiPhoneを使っている人にとって朗報だ。iPhoneでの実用上のダウンロード速度は平均して210kbpsとされるだが、Nokia Siemensによると、AT&Tなどの通信事業者がEDGEネットワーク機器のソフトウェアをアップグレードするだけで592kbpsに向上するという。
EDGEは一般に携帯電話の世界標準であるGSM(Global System Mobile Communications)方式に基づく2.5Gネットワーク技術と見なされており、AT&Tなど多くの携帯電話事業者も最初に構築した無線データネットワークにこの技術を採用していた。しかし、今では、世界のGSM事業者は、AT&Tを含め、HSDPA(High-Speed Downlink Packet Access)という技術を使った3Gネットワークを展開しつつある。このネットワークのダウンロード速度は600kbpsから1.4Mbpsと高速だ。
ほとんどの3Gネットワークは展開をほぼ終えており、大方の通信事業者ははすでに4Gネットワークを話題にしている。つまり、EDGEネットワークを今から新しく導入しようという通信事業者は世界を見回してもほとんどいないということだ。ならば、なぜNokia Siemensはこの技術を強化したのだろうか。
理由は簡単だ。Nokia Siemensは、EDGEネットワークを高速化することで既存の2.5Gネットワークを延命できると考えているのだ。こうした既存ネットワークの費用はすでに支払い済みのため、ソフトウェアをアップグレードするだけで既存資産に新しい命を吹き込むことができるのである。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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