三菱電機は3月3日、携帯電話端末事業から撤退すると発表した。現在販売中の製品が最後となり、新規開発を行わない。携帯電話事業に従事している社員はほかの事業に再配置する。
三菱電機は1983年に電電公社(当時)に自動車電話を納入して以来、NTTドコモ向けを中心に携帯電話端末を提供してきた。今回の撤退の理由については「市場が成熟化し、携帯電話端末の需要の伸びが見通せない中で、顧客の嗜好がますます多様化する非常に厳しい事業環境の下、足下の出荷台数が減少するとともに、今後の業績改善を見通すことが非常に難しくなっている」という点を挙げている。
同社によれば、2007年度の出荷台数は約210万台、売上高は約1000億円となる見込みとのこと。今回の撤退に伴う損失は、税引き前利益で約170億円という。
携帯電話事業に従事している社員は約600人いるが、これらはNGN関連機器や、携帯電話基地局などの通信インフラ事業、セキュリティ事業、カーマルチメディア事業、FA(ファクトリーオートメーション)システム事業、鉄道車両情報通信システム事業などに配置換えする。これにより、成長がより見込める事業の強化につなげる。
なお、携帯電話端末のアフターサービスおよびや電池パックD06の回収に関しては、今後も行う。また、同社の子会社で携帯電話端末の販売会社であるダイヤモンドテレコムは、引き続き携帯電話端末の販売事業を拡大していくという。
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