ソニーは1月7日、携帯電話やデジタルカメラ、デジタルビデオカメラなどのモバイル機器をかざすだけで、写真やハイビジョン映像などの大容量ファイルをPCやテレビなどに高速転送できる、近接無線転送技術「TransferJet(トランスファージェット)」を開発したと発表した。中心周波数は4.48GHz帯となる。
TransferJetは、従来の無線技術の課題であった複雑な接続設定や不安定なデータの転送状態などの課題を解決した、シンプルな無線技術。アクセスポイントの存在が不要で、たとえばデジタルカメラを直接テレビにかざすだけで静止画を画面に映し出したり、携帯電話に携帯オーディオ端末を直接かざして音楽ファイルを転送するなど、さまざまな機器間のユニバーサルインターフェースとして幅広く利用できる。
通信機器の事前登録にも対応し、たとえば自分の家の機器のみを登録させることにより、第三者へのデータ漏洩を防ぐことも可能だ。
物理層の転送レートは560Mbpsまで対応しており、エラー訂正やプロトコルのオーバーヘッドを考慮しても、実効レートで375Mbpsを達成している。さらに通信状況に応じて最適な転送レートを選択する機能を搭載しており、通信状態が悪い場合には自動的に転送レートを落としながら通信を維持できる。
微弱出力による近接専用(3cm以内を想定)の無線システムのため、他の無線システムに干渉を与えることがほとんどなく、多数のユーザーが同時使用しても性能低下がない。また室内外を問わず、多くの国や地域でTransferJetを搭載した機器間のデータ転送を行える。
ソニーは、今後この技術の採用を広く業界に働きかけ、TransferJetを適用した製品・サービスの実現を通して、モバイル機器を中心とするコンテンツ社会のニーズに応えて行きたいと説明する。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス