Nokia Siemens Networksが初期テストを実施したことで、第4世代のモバイルブロードバンドが実現に向け前進した。
Nokia Siemens Networksが先週実施を発表したテストでは、3Gの後継候補と目される「Long Term Evolution(LTE)」も対象となった。理論上最大で173Mbpsのデータレートを提供するLTEは、わずか約70Mbpsの速度しか約束されていないにも関わらず市場投入へ向けた競争において先を行く「モバイルWiMAX」への有力な対抗馬だ。現在利用可能なモバイルブロードバンドの中で最速は「HSPDA」の約7.2Mbps。
LTEとモバイルWiMAXは、いずれもOFDM変調方式と、複数のアンテナの使用をベースにしたMIMO技術を採用している。先ごろモバイルWiMAXが「3PGG」標準に含まれたことで、両技術ともいわゆる4Gに採用される可能性が高まった。
Nokia Siemens Networksは声明で、都市部におけるマルチユーザーを対象としたLTEのフィールド試験を世界で初めて完了したと発表した。今回の試験はドイツのベルリンで、2.6GHz帯の20MHz帯域幅を使用して実施された。2.6GHz帯免許をめぐっては、2008年に英国でオークションが展開されることが予想される。
同社は声明で「(今回の実験により)3GPP標準技術を使用してLTEの性能要件を満たすことができ、それにより都市部で使用される平均的な携帯電話で優れたスループットを維持したまま何百mの距離で100Mbpsを超えるデータレートを実現することが可能であることが確認された」と述べた。
Nokia Siemens Networksの最高技術責任者(CTO)であるStephan Scholz氏は、今回の実験を「LTE実現へ向けた最初の重要な実験」であるとし、同社が2015年までに目指している、LTEの効率的な帯域の使用により50億人のユーザーを結ぶという目標に向け今後も同技術を推進していく」と語った。
Nokia Siemens NetworksでLTEの開発を統括するMatthias Reiss氏は「この新たな技術LTEが、高い期待に応えることのできるものであることを証明した重要なマイルストーン」と語り、最も重要なのは、将来LTEネットワークを既存の基地局の設置場所で機能させることができ、携帯電話会社は新たにアンテナを設置することなくLTEネットワークを構築できることを立証した点だ」
英国の通信監督機関である情報通信庁(Ofcom)は、現地時間12月26日に2010〜2025MHzおよび2500〜2690MHz帯免許をめぐり、激しいオークションが予想されるとする見通し発表した。オークションは2008年中頃に実施される予定で、携帯電話会社による申請は1月16日まで受け付けている。これらの帯域幅の利用は、多くの新たなモバイルブロードバンドサービスへの道を開くものとなることが期待される。
LTEより低速であるものの、わずか数点とはいえ現在製品化されている点ではモバイルWiMaxがリードしている。「Fixed WiAX」は場合によってはモバイルWiMAXへのアップグレードが可能で、現在英国の一部で商用サービスが展開されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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