NECがNTTドコモのSuper3G無線基地局装置ベンダーに選定された。また、モバイルWiMAX「PasoWings」のグローバル販売を12月10日より開始した。
NEC執行役員 モバイルネットワーク事業本部長を務める遠藤 信博氏は「数十年前までワイヤレスといえば音声を中心としたモバイルの分野だったが、現在では大きなビジネスマーケットに成長している。インターネットなど有線で受けていたサービスが今後すべてワイヤレスになれば、高い自由度とともに新たなビジネスチャンスが生まれる」と語る。
現在では、有線だけでなく無線のデータトラフィック需要が増大している。ワイヤレスブロードバンド化によりデータ転送速度が向上すれば、当然ながらアクセスするユーザーも増加。そこで、新たなワイヤレスブロードバンド時代のビジネスモデルが登場してくる。
このような背景を受け、同社では携帯電話を中心に発展した3GPP(Third Generation Partnership Project)系の高速化と、無線LANが主体となるIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)系のモバイル化という2つの流れからワイヤレスブロードバンド化が進むと予想。そこで、3GPP系の「LTE(Long Term Evolution)」および、IEEE系の「WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)」で、ワイヤレスブロードバンドの実現に取り組んでいる。
LTEは、実現すれば理論値で下り最大100Mbps以上、上り最大50Mbps以上の高速通信が可能な技術だ。国内ではSuper3G、もしくは第3.9世代携帯電話と呼ばれることが多い。基本コンセプトである新無線アクセス方式とIPネットワークへの最適化により、飛躍的なパフォーマンス向上に加えて運用や設備コストの低減も可能になるという。
同社では既に3GPPの要求条件である100m秒以下の制御遅延および5m秒以下の伝送遅延を達成。「MIMO(Multiple Input Multiple Output)」を適用した無線対向システムでは、下り100Mbps、上り80Mbpsの伝送速度を確認している。なお、現在はロスレスハンドオーバーと「MBMS(Multimedia Broadcast and Multicast Service)」機能を評価中で、2008年には「Mobile World Congress」などへの出展や走行試験も計画されているという。
NECは、NTTドコモが商用サービスを予定しているSuper3Gに関して無線基地局装置の開発および製造ベンダーに選定されている。ドコモにはパナソニック モバイルコミュニケーションズもSuper3G基地局を納品する。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス