Appleは、欧州が米国と大きく異なるという教訓を早くも学んでいる。こと携帯電話においては。
現地時間11月28日、フランス国内でiPhoneの販売が開始された。フランス国内では携帯電話会社のOrangeが販売する。iPhoneが販売されるのは欧州ではフランスが3カ国目。フランスでiPhoneの販売が始まったのに伴い、Appleは同国およびドイツ、英国での価格戦略をスタートさせた。
少なく見積もってもしばらくの間、iPhoneは欧州で苦戦を強いられることになりそうだ。27日付の複数の報道によると、Orangeでは販売台数を2007年中に10万台、2008年には40〜50万台にのせたい、としている。Appleは、2008年のいずれかの時期にアジアでの販売を開始し、同年の世界全体での販売台数を1000万台にしたい考えだ。
欧州で直面する課題に対しAppleは楽観的すぎたのだろうか。世界で最も熾烈な競争が展開される携帯電話市場の1つにiPhoneが登場したことで、ちょっとした混乱を引き起こした。発売直前になって、料金プランがそれまでにない形に変更されたのだ。
フランスにおけるiPhoneの「独占」キャリアであるOrangeでは、3つの料金体系を提供している。まず、iPhoneを399ユーロ(592.78ドル)で購入し、いずれかの「Orange for iPhone」スペシャルプラン(料金は使用量に応じて月額49〜119ユーロ)に入会するというもの。Orangeの提供する他のプランを利用したい場合は549ユーロ、いずれの料金プランも利用しない場合649ユーロ(964.20ドル)でiPhoneを購入することになる。
フランス国内でiPhoneの販売を許可されているのはOrange1社のみ(Appleは同国でApple Storeを展開していない)だが、同社は間違いなくその座を追われることになる。フランスの法律は、携帯電話会社に対し、顧客が自由に通信会社を選択できるようにすることを義務付けているためだ。今のところ、Orange以外の通信会社を利用するには100ユーロを支払わなくてはならないが、半年後には無料になる。
つまり、現時点では、フランスのユーザーたちが他の通信会社と契約してiPhoneを使用するには、1112.77ドル相当の金額を支払う必要があるということになる。しかし、これもドイツに比べればかなり割安といえる。ライバルのVodafoneから訴訟を起こされたT-mobileは、1478ドル(先週時点での為替レート)支払えば、ドイツ国内で自由に通信会社を選択してiPhoneを使用できるようにすることで合意した。
少なくとも英国では、Appleの独占キャリア戦略は機能している。O2とAppleはまだ販売データを発表していないが、O2によると、iPhoneの発売は、同社で「最も売れ行きの早い」ものだったという。しかし、米国本土でiPhoneが発売された時に匹敵する行列や大騒ぎをどんなに期待しても、英国では実現しなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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