Googleが待望の携帯電話向け新ソフトウェアプラットフォーム「Android」を発表したが、セキュリティ研究者たちは、これをきっかけに悪意のソフトウェアが携帯電話を標的に猛攻撃を仕掛けるようになるのではないか、との疑問を投げかけている。
Androidは、オープンソースのオペレーティングシステムを通じて次世代の携帯電話プラットフォームとなることを目指したものだが、セキュリティ研究者たちは、これが携帯電話向けウイルスの増加を招く可能性を危惧している。
セキュリティ対策企業であるF-Secureの公式ブログにはこう書かれている。「ここでの重要な問題は、Androidが完全にオープンなシステムになるのか、あるいは(たとえばSymbian OSのように)署名し承認されたアプリケーション向けのシステムを採用するのかという点だ。誰が書いたかわからない、署名のない、正体不明のアプリケーションが携帯電話の機能に完全にアクセスできるようになるとしたら、トラブルの臭いがする」
Symbian OSは、「Lasco.A」や「Cabir」とその変種など、ウイルスの感染に一役買ってしまったことがある。
しかし、PCにせよ携帯電話にせよ、セキュリティにとっての最大の脅威はユーザーそのものだ。Googleは、さまざまな対策を講じてAndroidのセキュリティを強化できるが、ユーザーが携帯電話でウイルス付きの添付ファイルを開いてしまったら、彼らの努力は水の泡と化す。
ウイルス作者がわざわざAndroidを攻撃しようと考えるかどうかは、それがどの程度広く普及するかによるだろう。結局、個人情報を盗み出す攻撃は、金銭的利益を目的にして仕掛けられるものだ。ターゲットとなるものの数が少なければ、苦労して狙う価値がどこにあるだろうか。
Appleの「iPhone」が良い例になる。iPhoneの販売台数はかなり急激に増えている。ユーザーが発売当日に商品を手に入れようとして店の前で列に並んでいた間も、セキュリティ専門家たちはすでに、iPhoneが直面するであろう問題のいくつかを指摘していた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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