FOMAを使って映像を伝送--ソニー「ロケーションポーター」に新サービスを追加

 ソニーは11月6日、FOMA回線やブロードバンド回線を利用して、DVカメラとノートPCなど最小限の機材構成で安定した高品質映像をリアルタイム伝送する中継システム「LocationPorter(ロケーションポーター)」において、新たな2つのサービスを12月3日より開始すると発表した。

 ロケーションポーターは、緊急性、即時性が求められる放送局のニュース番組や企業・自治体が実施するイベント中継など、高品質な映像伝送による現場中継を可能とするシステムとして、2007年3月から提供が開始されたサービス。DVカメラと送受信映像を処理する専用ソフトウェアが搭載されたPC、ネットワーク回線だけの機動性の高いシステムで、これらのニーズに対応する。

 今回、新たに提供されるのは、機動性に優れ、FOMAを2回線同時に使用することにより画質と信頼性を高めた「Mobile PRO(モバイルプロ)」と、多様なネットワークや回線からの簡単接続を可能にし、さまざまな環境でフレキシブルに利用できる「STANDARD(スタンダード)」の2サービス。

 Mobile PROは、送信側ノートPCに専用アプリケーションをインストールした「タブレットタイプ」を採用したことで単独での中継を可能とし、さまざまなシーンにおいてフットワークに優れた撮影スタイルを実現する。

 高画質・高信頼の「2X FOMA(デュアルフォーマ)」機能を搭載し、2X FOMAモード時(64〜320kbps)はFOMA回線を最大2回線同時に使用し、映像の高画質伝送と音声の完全二重化伝送を実現した。1本の回線が不安定な場合でももう1回線でバックアップし、高信頼の伝送を可能とする。

 さらに、送受信PCの間でテキストメッセージのやりとりができる「インスタントメッセージング機能」を搭載し、音声以外のコミュニケーションにも利用できる。

 一方、STANDARDは、FOMA回線に加えてLAN回線(無線・有線)にも接続でき、回線に合わせた最適なリアルタイム伝送を実現する。カメラからの映像を送信側ノートPCで一度ファイル化した後に送信する「蓄積伝送機能」を搭載し、回線使用効率の高い同社独自のプロトコルにより、FOMA回線でもSDクラスの映像伝送を可能とした。

 また、NATやファイアーウォールなどが介在するネットワーク環境においても、送受信PC間の接続を簡単に行う「NAT越え」を実現。インターネット上の専用サーバーにより、ロケーションポーターが接続されたネットワーク環境を自動判別して、多様な環境下での伝送を行う。送受信PC間の通信路を暗号化(AES 128bit)することで、データの盗聴や改ざんを防止し、セキュリティの強化を図った。

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