11月1日にアドビシステムズが主催した、同社製品のクリエイター、およびデザイナー、ディベロッパー向けイベント「Adobe MAX Japan 2007」において、「Flash Lite 3.0で広がるモバイルコンテンツの世界」と題したトークセッションが行われた。
トークセッションのスピーカーを務めたのは、ニューロマジックの執行役員でインタラクティブ・ソリューション・サービス事業を担当する、石川修一氏。
1998年からウェブサイトやモバイルサイトのIA、制作、システム開発に携わり、コンシューマーゲームの企画・開発などを経て、現在ではHTML、Flashなどのフロントエンドから、バックエンド、サーバー、ネットワークまで幅広い知識と経験をベースに、DreamweaverやFlash、Flash Liteなどのセミナー講師も担当している。
石川氏は、10月31日に日本版がリリースされたばかりの「Adobe Flash Lite 3」(Flash Lite 3)の新機能をデモンストレーションを織り交ぜながら紹介した。
Flash Liteは、携帯電話向けのFlash Player。新バージョンのFlash Lite 3は、PC向けのFlash 7、ActionScript2.0に相当し、NTTドコモの次期新機種への搭載が予定されている。
Flash Lite 3で新たに加わった機能で、最大のポイントは、YouTubeをはじめとする動画投稿サイトで採用されている、Flash Video(FLV)への対応だ。Flash Media Serverからのストリーミング再生のほか、SWFファイルへのビデオの埋め込み、ローカル/Webサーバーからのプログレッシブダウンロードの3種類の再生形式に対応している。
また、モバイル向けに最適化された、On2 VP6、およびSorenson Sparkの2種類のコーデックもサポートする。石川氏は「Flashのアニメーションの動きはエッジがあるのに、FLVの再生は驚くほど滑らか」と、皮肉を交えて説明し、FLVを利用したコンテンツ例として、モザイク処理が徐々に外されていく動画内容を当てるゲームを紹介した。
さらに、新バージョンではセキュリティーの強化が図られている。ネットワーク上で再生するswfファイルは、同じドメインのデータのみを読み込むことができ、ローカルにはアクセスできない仕様だ。ローカルでアクセスするswfファイルは、“ローカルファイルのみにアクセスする”、または“ネットワークにのみアクセスする”のいずれかを選択して設定を行う。
また、バックライトの継続時間の延長、およびフォーカス矩形色の変更をFlash側で制御するfscomandをそれぞれ追加。このほか、最初のフレームのレンダリングに必要なAction Scriptのみがはじめにロードされ、他は必要に応じてロードされる仕様の採用や、レンダリングの高速化などにより、パフォーマンスの向上が図られているのも特長だ。
続いて石川氏は、「Flash CS3 Professional」と「Adobe Creative Suite」の新しいコンポーネントである「Adobe Device Central CS3」(Device Central CS3)をあわせて紹介。Device Central CS3は、Flash Lite 3コンテンツのプレビューや、動作確認を行うために提供されている開発者向けのツールだ。300種類以上の携帯デバイスの仕様を一度に比較できるほか、キー操作や、日付、時刻、電池、電波などの変更テスト、端末ごとのパフォーマンスのシュミレーション、メモリ使用状況のテストをPC上で行える。
石川氏は「最終的には、各々の端末で動作確認をする必要はあるが、製作段階の途中では非常に活用度が高いツール。使っていない人はぜひ使ってほしい」と有用性を強調した。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス