Appleの携帯電話「iPhone」にかけられている制限を解除し、サードパーティー製アプリケーションを実行可能にするツールが公開されている。このソフトウェアは3日間で15万回近くダウンロードされたという。
CNETが運営するiPhone Atlasが、このロック解除アプリケーション「AppSnapp」のプログラマーの1人であるNicholas "Drudge" Penree氏に話を聞いた。米国時間10月28日にリリースされたAppSnappは、最新のiPhoneファームウェアが適用されているiPhoneと「iPod touch」でサードパーティー製アプリケーションを稼働することを可能にする。このツールが28日から14万4000回ダウンロードされたことについて、同氏はすでに10万台近くのデバイスがサードパーティー製アプリケーションを自由に実行可能になっているだろうと推測を述べた。
AppleとハッカーによるiPhoneの制限解除をめぐる攻防は、同製品が発売されたその日からいたちごっこになっている。Appleの最高経営責任者(CEO)であるSteve Jobs氏は当初、ネイティブアプリケーションの開発は制限すると開発者に述べ、最初はウェブアプリケーションのみの対応だと語った。しかし、これはiPhoneのタッチスクリーンインターフェースや組み込みの傾き検知センサに魅了された開発者たちを沈黙させることはできなかった。
AppleがiPhoneの制限解除に懸念を示していることを明らかである。同社の最高業務執行責任者(COO)であるTim Cook氏は先週、25万台のiPhoneが制限を解除する目的で購入されていると推測した。そして同社は先ごろ、Apple StoreでのiPhoneの購入にクレジットカードが必要になり、購入できる台数は最大2台までとする販売ポリシーを導入した。これは不正な転売を防止することを目的としている。
しかし、AppleはiPhoneとiPod touchでサードパーティー製アプリケーションを使用することに対する需要の高さを知っているようだ。Jobs氏は10月に入ってから、2008年2月に両デバイスに対応したソフトウェア開発キット(SDK)をリリースする計画を明らかにした。
このSDKによって、より安全で信頼性のあるiPhoneおよびiPod touch向けアプリケーション開発の準備を整えることができるだろう。セキュリティ専門家の中には、すべてのiPhoneアプリケーションがルート権限で稼働する可能性があるというセキュリティ関連の懸念を示している。また一方で、今のところでは優先順位の問題という意見もある。
iPhoneやiPod touchでサードパーティー製アプリケーションを稼働する唯一の方法は、今のところ、セキュリティ脆弱性を利用することであり、理想的な方法とは言えない(AppSnappの開発者らは一般の人でも利用できるパッチの開発に注力した)。これまでどおり、信頼できる情報源からのものだけをiPhoneやiPod touchにインストールするようにしよう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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