ノキア、アジア太平洋地域の音楽業界に進出

文:Reuben Lee(Special to CNET News.com) 翻訳校正:編集部2007年10月30日 14時36分

 フィンランドのNokiaは、アジア太平洋地域の地元ミュージシャンが自分の最新楽曲を発表するための新たなプラットフォームを開設した。同社が最近開設したIndependent Artists Club(IAC)と呼ばれるウェブサイトは、同地域の地元アーティストのプロモーションを目的としている。アーティストらは同サイトに楽曲をアップロードすることにより、全世界の音楽ファンに自分の作品を公開できる。

 Nokiaは、最初にシンガポールとタイでこのIACプログラムを開始し、その後6カ月間にマレーシア、フィリピン、インドネシア、バングラデシュ、ベトナム、オーストラリア、ニュージーランドなど、アジア太平洋地域の他の国に拡大していく。

 各国でのIACプログラムの開始当初は、Nokiaから依頼を受けた一部の地元アーティストしか同サイトに楽曲をアップロードできないが、その後、すべてのアーティストが楽曲をアップロードできるようになる。シンガポールのIACサイトに一般人が楽曲をアップロードできるようになるのは12月中旬頃の予定だ。

 IACサイトを訪問した音楽ファンは、楽曲の評価、試聴(30秒間のプレビュー)、MP3楽曲のダウンロードが可能だ。自作楽曲が最も高い評価を得たアーティストは、NokiaのIACチャートに掲載され、そのチャートは順次、定期的に音楽業界に配信される。また、それらのアーティストは、IAC関連の活動に加え、Nokia主催のイベントでも演奏の機会が与えられる。

 IACサイトの重要かつユニークな特徴の1つは、音楽ファンがパソコンからだけではなく、携帯電話からもアクセスできる点だ。しかし、携帯電話用プラットフォームで行えるのは、プレビューのストリーミングと楽曲のダウンロード(データ通信料は別途かかる)に限られる。

 Nokia Singaporeのシニアマーケティングマネジャー、Lim Wee Khee氏によると、現在は、携帯電話からの楽曲のアップロードはできないという。また、楽曲はすべてDRMフリー(デジタル著作権管理技術が施されていない)の上に、大半の携帯型音楽プレイヤーで再生可能なMP3フォーマットで提供される、とKhee氏は付け加えた。

 音楽ファンにとって唯一の問題と思えるのは、Nokia製の端末を所有しているユーザーが1カ月間に無料でダウンロードできる楽曲数がわずか10曲という点だ。また、Nokia製以外の機器のユーザーの場合は1カ月にわずか5曲しかダウンロードできない。Nokiaは今のところ有料の追加ダウンロードサービスを提供する予定はないため、ユーザーはダウンロードする楽曲を賢明に選択する必要がある。しかしその反面、ユーザーは常に複数のアカウントにサインアップできる。

 Nokiaは2007年に入り、インターネットサービスブランド「Ovi」を発表した際に、Nokia Music Storeを2008年に立ち上げると述べていた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ

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