「iPhone」のテレビCMは偽りか--視聴者から怒りの声も

文:David Carnoy(CNET News.com) 翻訳校正:緒方亮、小林理子2007年10月23日 20時48分

 Appleはこのところ順調だ。約139万台の「iPhone」が売れ、売り上げはうなぎ登り。新しいOSも登場しようとしている。MacはPC業界からユーザーを獲得しつつある。何をやってもうまくいきそうだ。だが、いま米国で放映中の新しい「iPhone」のコマーシャルに関しては、混乱した視聴者のなかからあがる批判の声を止めることはできなかった。

 問題のコマーシャルは「遅延」というタイトルで、航空機のパイロットらしいBryce氏が、「weather.com」のiPhone向けアプリを使って大幅な運航の遅れを回避できたという話をする。このコマーシャルは、「FlyerTalk」のフォーラムで一部の人たちを非常に怒らせてしまった。

 口火を切ったのはマサチューセッツ州の「Marathon Man」氏だった。「ちょうどいま初めて、このiPhoneのコマーシャルを見たんだが、パイロット(あるいは、誰かクルーの1人かもしれない)が立っていて、iPhoneを使って、地上管制よりも正確で早くて新しい天候情報を入手できたと語っている。(中略)そんなことを信じられるはずがない。これは虚偽広告だ」

 ヒューストンの「Jetskipper」氏は次のように説明している。「コマーシャルどおりだと、このパイロットは、悪天候で遅れているあいだにiPhoneを使って天候をチェックしたことになっている。それから(ここは推測だが)運航管理者に連絡をとり、運行管理者は同じ気象情報を自分のコンピュータで見て、新しいルートを準備して、その新ルートによって、航空交通管制(ATC)は離陸を許可できたってわけだ」

 「当然、パイロットは航空機に乗り込む前に天候をチェックして、そのときに運航管理者と予定ルートの天候に問題がある点を解決することはできたはずだ。あるいは、離陸の遅れが決まってから、CDR[悪天候地域を避けて運航するための、あらかじめ定められたルート]に切り替えて、問題を迅速に解決することもできただろう。ただ、この2つのシナリオではどちらも、視聴者の99%が混乱しているにちがいないテレビコマーシャルの説明にはならないが(以下略)」(Jetskipper氏)

 もちろん、Appleに皮肉を言わないではいられない人もいる。ある投稿者が、「iPhoneができる前は、遠く離れたところにいる誰かにリアルタイムで話をする方法が存在するなんて、ぜんぜん知らなかったよ」とからかうと、「3年前から使っている『Treo』でもできるんだけどね」と、追い打ちをかける書き込みがあった。

 大論争の的になっているのは、Appleの広告キャンペーン中の「本当の」人たちが、本当に俳優ではなく、本物なのかということだ。Bryce氏については、どの航空会社で働いているかを語っておらず、評決はまだ出ていない。腹を立てた「BEARX220」氏は「よく見れば、あの『パイロット』に実際の航空会社のバッジがついていないのがわかる。『ユニフォーム』は衣装屋から買ってきたノーブランド品だ。議論されているように、彼の話はとても疑わしい」と書いている。

 「BEARX220」氏は続ける。「だから全部がごまかしなんだ。公園や商店街などに同じ黒の背景幕でセットをつくって、いわゆる『本物の人たち』にそこで話を披露してもらうという、あのiPhoneの広告キャンペーン全体が虚偽だということが予想される。こうなると、筋道立てて考えれば、AppleやiPhoneが提供すると言っていることのすべてが偽りではないかと思いたくもなるはずだ。さらには、そもそも人生そのものが偽りなのかもしれない」

 あなたはどう思うだろう。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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