カリフォルニア州パロアルト発--自分がよく知らない街にいるところを想像してほしい。
休暇か出張で訪れたのか、あるいは、住んでいる都市のよく知らない地域を探検しているだけかもしれない。陽光がさんさんと降り注ぐ午後、心の中でこう考える。「ジェラートを食べるのもいいな」。あるいは、もう少し時間が経ってから、マルガリータがほしくなる。でも、どこに行けば飲めるのかわからない。
今は、何かを探しながら見知らぬ通りをさまよっている人はたいてい、通りかかった人に尋ねる。特定の店が頭にあって、自分の携帯電話がウェブに対応していれば、インターネットやオンラインマップを利用できる。しかし、自分が何を求めているのかよくわからない場合には、情報源が何もない。
レーザープリンタや、イーサネットを生み出した、Xeroxのパロアルト研究所(PARC)は、そんなふうに街を歩く人に役立つモバイルアプリケーションを開発した。(携帯電話のGPS機能を利用して把握した)現在地、時間、ユーザーの嗜好、閲覧履歴に基づいて、ショップ、レストラン、イベントなどの情報を提供できる、レジャー向けの都市ガイドシステムだ。
このシステムは、大日本印刷によって日本で商業利用される予定で、2008年春に試験運用が開始され、2009年春から一般に提供される見通しだ。米国での事業化計画の有無については明らかにされていない。
米国時間9月27日にパロアルトで開かれた報道機関向けイベントで、このソフトウェア(開発コード名「Magitti」)のデモンストレーションを見たところ、非常に洗練されているという印象を受けた(開発コード名は、「マジックスコープ」と「デジタルグラフィティシステム」という2つの初期のデザインコンセプトに由来する)。
「(ユーザーが)とりそうな行動を予測する」と、プロジェクトリーダーの1人、Bo Begole氏は言う。たとえば、朝ならコーヒーショップ、日中ならショップ、夜ならレストランやバー、映画案内が表示される。
好きなものの選択や格付けの実行といったやりとりを重ねると、システムが個人の嗜好を学習し、好みに合った提案を行うようになる。また、似たような嗜好の人が好むものを推薦する共同フィルタリングの機能もあって、ユーザーは自分なりの格付けやレビューを入力できる。
システムは、電子メールやテキストメッセージから、ユーザーがどういう活動をしているか手がかりをつかむこともできる。気味が悪いと感じる人もいるかもしれないが、「Gmail」のように電子メールのコンテキストに基づいて広告が送られてくるのと同じようなものではないだろうか?今いる場所に応じて携帯電話に広告が表示されたり、さらには新興企業のPudding Mediaが提供しようとしているサービスのように、通話内容に基づいて広告が送られてきたりするのと比べるとどうだろう?
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