三洋電機は9月14日、連結子会社で、携帯電話販売代理店業を営んでいるテレコム三洋の全株式を、テレパークに譲渡することを決定したと発表した。これにより、約40億円の利益を得るとしている。
テレコム三洋は1995年6月に設立され、北海道、沖縄を除く全国で携帯電話端末を販売してきた。年間販売台数は約60万台、売上高は384億円という業界では中堅規模の事業者だ。
テレパークは三井物産の子会社で、業界シェアは7.4%と業界トップの地位にあるという。三洋電機では今回の売却について、「業界の競争がますます激化する事が予想される中、より一層充実したサービスをお客様へ提供し競争力ある事業体にするには、業界最大手とともに経営基盤の強化、および事業展開を図る必要があると判断した」としている。
譲渡日は10月31日を予定している。譲渡後、テレコム三洋は社名をテレコムパークへ変更する予定だ。
なお、一部報道機関で三洋電機が携帯電話端末事業の売却に向け京セラと最終交渉に入るとの報道が同日あった。これについて三洋電機では、「携帯電話端末事業は強化に向けてあらゆる検討を進めている。同事業の売却方針を固めた事実はない」とコメントしている。
三洋電機は子会社の新潟三洋電子の半導体工場が新潟県中越地震で大きな被害を受けたことに加え、主力の半導体事業や家電事業が不振で経営再建を進めている。2007年3月期の携帯電話端末事業の売上高は3402億3900万円だが、右肩下がりの状況が続いている。
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