サービス開始から1年半で600万人もの会員を集め、業績面でも絶好調のモバイルソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「モバゲータウン」。このサービスがこれまでが歩んできた歴史や広告の成功事例、そしてモバイル・コミュニケーションの将来について、運営元であるディー・エヌ・エーの代表取締役社長、南場智子氏が社団法人日本アドバタイザーズ協会 Web広告研究会主催のイベント「第16回WABフォーラム」にて語った。
インターネットを利用する際、ユーザーはPCからアクセスするというのがこれまでの常識だった。しかし、それはインターネット接続可能な携帯電話の普及によって少しずつ変化している。その兆しが見え始めた2004年に、PCベースのサービスからモバイルサービスへと主軸を移したディー・エヌ・エーは今、モバイル市場の広がりを実感しているという。
「2006年の実績で、インターネット広告市場規模は3630億円、うちモバイル広告は390億円という発表が電通総研からありました。現状では、モバイル広告はインターネット広告の10分の1の規模に過ぎません。2011年にはインターネット広告全体で7558億円になると予測されており、モバイル広告市場規模は1284億円に達するといわれています。しかし、モバイルサービスを中心とした広告事業を展開する私たちは、この数字は保守的だと感じています」
携帯電話ならではの特質を活かすことによって、モバイル市場の成長は飛躍的に向上すると南場氏は確信する。携帯電話は画面がPCに比べて小さいという弱点があるが、ユーザーの目線は縦方向にしっかりと向く。アテンションが集中するメディアだと言うのだ。
携帯電話のヘビーユーザーが10代〜20代の若者に偏っているという点も、若年層はトレンドに敏感で購買決定に主導権を持つととらえている。事実、モバゲータウンは、若年層からブームに火がつき、その上の年齢層に広がったことで、2007年8月末には会員数が689万人となった。モバゲータウンは「勝手サイト」「一般サイト」と呼ばれる非公式サイトだ。これまで商業的に成功した非公式サイトは少なく、そこでの成功がよりインパクトを持って受け止められ、これまで企業が持っていたモバイル広告市場に対するイメージを一新したのではないかと南場氏は見ている。
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