総務省は5月19日、2005年末時点の世帯、企業および事業所における情報通信サービスの利用状況、情報通信機器の保有状況等について調査した「通信利用動向調査」の結果を取りまとめ、公表した。
通信利用動向調査は、世帯(全体、構成員)、企業および事業所を対象とし、統計報告調整法に基づく承認統計として1990年から毎年実施されている。
今回の調査は2006年1月に、全国の世帯主が20歳以上の6400世帯およびその構成員、常用雇用者規模100人以上の3000企業、常用雇用者規模5人以上の5600事業所を対象に、郵送による調査票の配布および回収によって実施された。有効回答数(率)は、3982世帯、1万2879人(62.2%)、1406企業(46.9%)、2821事業所(50.4%)だった。
調査によると、インターネット利用者数は、前年比581万人増(7.3%増)の推計8529万人に達し、引き続き増加していることがわかった。それにともない、人口普及率も推計66.8%となり、4.5ポイント増加した。
個人のインターネット利用端末について見ると、携帯電話等の移動端末の利用者数が前年末から1098万人増加(18.8%増)して推計6923万人に達し、パソコン利用者数(推計6601万人)を初めて上回り、モバイル化がさらに進展した。また、インターネット利用者(推計8529万人)の過半数(57.0%、推計4862万人)は、パソコンと移動端末を併用する一方、パソコンのみの利用者は521万人減少した。
ブロードバンドの普及状況については、光回線の利用率が伸びる一方、DSL回線の利用率は初めて減少した。ブロードバンド回線の利用者数は、前年末と比べて460万人増加(10.8%増)して推計4707万人となり、インターネット利用者に占める割合も55.2%に達するなど、ブロードバンド化が引き続き進んでいる。自宅パソコンをインターネットに接続している世帯の約3分の2(65.0%)およびインターネット利用企業の68.1%が、ブロードバンド回線を使用している。自宅パソコンに接続するブロードバンド回線の種類については、光回線の利用率が6.1%から14.8%に倍増した一方、DSL回線の利用率は39.2%から34.2%へと、初めて減少した。企業、事業所においても、同様の傾向だった。
世代別、世帯年収別、男女別および都市規模別によるインターネット利用率の差はそれぞれ前年末より縮小したものの、60歳以上の世代と他の世代の利用率の差は、50代と60代前半で20ポイントの差があるなど、依然として顕著だった。
携帯電話とパソコンの利用率の比較では、携帯電話利用率(71.9%)がパソコン利用率(56.7%)を約15ポイント上回り、世代別に見てもほぼ同様だが、「6〜12歳」のみ約37ポイント差でパソコンが携帯電話を大きく上回っている。携帯電話利用率は、20代〜40代では9割を超えており、60代後半でも約5割と高い利用率を示した。一方、パソコン利用率は、20代〜40代では7割を超えていたものが、50代で55%、60代後半で22.7%に落ち込んでおり、操作に相応の知識が必要なパソコンは、世代間での差異が携帯電話以上に顕著だった。
IP電話の企業普及率は、前年末から11.6ポイント増の39.4%と、約4割の企業に普及する一方、世帯普及率は2.3ポイント増の15.0%にとどまり、前回調査の伸び(5.4ポイント増)よりも鈍化した。
情報通信ネットワーク利用企業のうち何らかの個人情報保護対策を実施しているところは、前年末から16.7ポイント増加して73.2%となり、企業の個人情報保護への取り組みが進んでいることが伺える。対策内容は、「社内教育の充実」(45.7%)が最も多く、次いで「個人情報保護管理責任者の設置」(41.4%)の順だった。
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