ソフトバンクモバイルは9月29日、2011年冬~2012年春モデルとなる新商品12機種と、先日ディズニー・モバイルから発表された新製品3機種を加えた全15機種を発表した。
2010年11月4日に行われた「2010年冬~2011年春モデル」以降は、東日本大震災をうけて「華美なことは控えてきた」(ソフトバンクモバイル 代表取締役の孫正義氏)としており、約1年ぶりの記者会見となった。
今回、孫氏が何度も強調したのは「超高速通信」だ。スマートフォンは端末の中に情報を納めるのではなく、クラウドに写真やさまざまな情報を保存していくと見る。「人類の最大資産はクラウドになるということが始まろうとしている。欠かせないのはモバイルインターネットの通信速度」と語った。
端末のラインアップも、下り最大21Mbpsとなる「ULTRA SPEED」に対応したスマートフォン「ULTRA PHONE」を4機種ラインアップしたほか、次世代ネットワーク「SoftBank 4G」(AXGP)に対応した下り通信速度最大76Mbpsの高速通信が可能なモバイルWi-Fiルータなど、高速にこだわった高機能機種を投入した。
SoftBank 4Gは、ウィルコムから継承した2.5GHz帯を使用する「XGP」を高度化させたAXGP(Advanced eXtended Global Plarform)方式を採用したもの。中国やインドなどで導入が進む「TD-LTE」と高い互換性があり、ネットワーク設備などの流用、共通化が見込め、設備投資額の抑制や端末の低廉化ができるとしている。
サービスは、11月1日より開始するとしているが、第1弾となる対応端末「ULTRA Wi-Fi 4G」は2012年2月以降の発売だ。しばらくはテストなどで使用するとしており、事実上は2012年2月のサービスインとなる。価格や利用料などは発表されなかったが、「競合他社と十分競合できるレベルにしていきたい」とした。なお、2012年度末には、全国政令指定都市の人口カバー率99%を目指す。
また、電波改善への取り組みとして、Wi-Fiスポット、基地局、フェムトセルの強化を挙げた。ソフトバンクモバイルのWi-Fiスポット数は10万スポットと、競合他社を圧倒するスポット数であること、「ID/PWを入力せずに都営地下鉄や東京メトロの全駅ホームでWi-Fiを使用できるのはソフトバンクだけ」とアピール。
また基地局を大幅に増加することで16万基地局を達成したという。同社のアンケート調査によれば、これまで2%だった自宅における圏外率は約1%へと半減しており、「他社にほぼ追いついた。これは16万基地局に増やした結果」とした。なお、2011年と2012年の2年間で1兆円の設備投資を行い、さらに基地局を増加させていくとした。
今後の端末について、「シンプルな二つ折り携帯は1~2機種継続していくだろうと思うが、基本は完全にスマートフォンシフト」と語る。また、KDDIが新iPhoneを発売することが噂われている件については、「他社のこと、関連することについては一切ノーコメント」と一蹴した。
なお、今回のラインアップはSIMロックのかかったもの。孫氏は「SIMフリーの機種を出しているが、ほとんど需要はなかった」と理由を語った。ソフトバンクモバイルのSIMフリー端末はAndroid スマートフォン SoftBank 008Z(ZTE製)1機種のみに留まっている。それについて、「われわれだけではなく、ドコモでもそうだと思う。需要があればいくらでもする」とコメントした。
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