Twitterの最高執行責任者(COO)であるDick Costolo氏が米国時間5月24日に公式ブログへ投稿した記事によると、Twitterはサードパーティーの広告ネットワークを正式に禁止したという。この措置によって、Twitterを軸に事業を構築してきた新興広告企業の一部は経営破たんする可能性がある。
投稿には、「われわれは今後、Twitter APIを利用するあらゆるサービス上で、サードパーティーがペイドツイートをタイムラインに投入することを一切認めない」と書かれており、Twitterが2010年に発表した自身の「Promoted Tweets」プログラムは例外であることが説明されている。
「サードパーティーの広告ネットワークは、Twitterが作り上げたユニークなユーザー体験を必ずしも保護しようとはしていない」とCostolo氏は述べている。「彼らはTwitterプラットフォームの長期にわたる健全な状態を犠牲にして、市場シェア拡大や短期的な収益を実現できるように最適化するかもしれない。例えば、サードパーティーの広告ネットワークは、広告インプレッションとクリックスルー率を最大化しようとするかもしれない。たとえ、それによってユーザーの不満が募り、Twitter利用が最終的に減少することになってもだ」(Costolo氏)
しかし、今回の件の本質は、これらのサードパーティネットワーク(「Adly」やローンチされたばかりの「TweetUp」を含む)が広告収入をめぐってTwitter自身と競合するようになったということだ。
Twitterが(投資したお金が全て消えていく)オープンエンドの通信プラットフォームから萌芽期のビジネスモデルを持つ構造化された企業へと移行するにつれて、Twitter API上に事業を構築したサードパーティー企業の多く(利益を上げている企業もある)は、自分たちにその影響が及ぶのを感じてきた。Promoted Tweets広告プログラムの発表に先立って、Twitterは「iPhone」クライアントの「Tweetie」を買収したこと、そして、ほかの公式モバイルクライアントもローンチする予定であることを明らかにした。
Twitterが米CNETに認めたところによると、今回の措置は、ペイドツイートを投稿する著名なTwitterユーザーらと直接連携しているマーケッターには全く影響しないという。報道によれば、リアリティショーのスターであるKim Kardashian氏は、スポンサー付のツイート1件につき、1万ドルの報酬を受け取っているという。
Twitterは2010年のChirpカンファレンスで、不安を感じる開発者たちを前にして、同社はサードパーティーがTwitterのシステムを利用するためのより深い高度な手段をローンチする予定なので、開発者たちが排除されることはないと主張した。Twitterは24日のブログ投稿で、同社がChirpで発表した「Annotations」メタデータ製品に関しては、この友好的な約束を維持した。「Twitterプラットフォーム上には今もビジネスチャンスがあるが、Annotationsが公開されるときには、さらに多くの新しいビジネスチャンスが生まれるだろう」とCostolo氏は書いた。「企業や起業家はAnnotationsを利用して、われわれが考えもしなかったようなものを創造するだろう」(Costolo氏)
それでも、少なくとも今のところ、一部の企業は早急に対策を講じなければ、滅亡の危機に瀕してしまうだろう。最初に危うくなったのはTwitterクライアントで、今回は新興広告企業が対象になった。ほかのニッチな分野を手がけているTwitter開発者は、次は自分の番かもしれないという不安に襲われているに違いない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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