調査会社comScoreが米国時間5月12日に発表した新しい統計によると、米国内でバナー広告が最も多く表示されるウェブサイトは、Facebookであるという。大規模ソーシャルネットワークである同サイトの広告数が、米Yahooの多種多様なサイト全体を超えたのは、今回がはじめてである。
comScoreによると、Facebookの2010年第1四半期の米国内のディスプレイ広告総数は1763億件であったという。以下、米Yahooが1315億件、Microsoftが601億件で、これに続く。2009年の第1四半期には、Facebookの上に、米Yahooに加え、Fox Interactive Media(MySpaceの親会社)があった。Fox Interactive Mediaのインプレッション数は、当時の1093億件から538億件に減少した。次はAOLで、2010年第1四半期のインプレッション数は321億件であった。
ここで注意すべきは、米Yahooは、Microsoftと同様に、他のサイト上の広告も取り扱う、大規模なディスプレイ広告ネットワークを展開しているという点である。つまり、Facebookは2010年、初めて売上高が10億ドルを超える予定だが、米Yahooは、全体的なディスプレイ広告によって、それをはるかに上回る収入を上げている。Facebookは独自の広告ネットワークの立ち上げを計画しているといううわさが絶えずささやかれている。これは特に、Facebookが、同社の「ソーシャルプラグイン」や「インスタントパーソナライゼーション」といった製品によって、同社の存在をウェブ上のさらに広い範囲に拡大しようとしているからであるが、今のところその動きはない。
それでも、創業してから6年のFacebookは、相変わらず驚異的な成長を遂げており、今やその会員数は世界中で4億人以上にものぼる。成長に伴い、Facebookはその門戸を広く開放した。ほんの少し前までは、ログインしなければ、同サイトのコンテンツの大部分を参照することはできなかった。現在では、会員の中にはこれを嘆く声もあったものの、そのほとんどが公開されており、検索エンジンでインデックス化される。
Facebookは以前、Microsoftとの提携によってディスプレイ広告を運営していたが、2010年初めに従来型のバナー広告から全面的に一掃すると発表し、同社との広告契約を終了している。Microsoftは2007年、Facebookに2億4000万ドルを投資した。Facebookに表示されるディスプレイ広告のほとんどは、同社が強く推進する「ソーシャル広告」であり、多くの場合、他のFacebookプロファイルやブランドページにつながっている。
そしてもちろん、広告といえばGoogleである。しかし同社の莫大な広告収入は、ディスプレイ広告ではなく検索広告によるものである。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス