Wikiaは米国時間3月31日、「Wikia Search」の提供打ち切りを発表した。Wikia Searchは、ユーザーが表示順などの全検索結果を編集できるようにした、ユーザー生成型の検索エンジンとして成長を遂げることが目指されていた。
Wikiaの共同創設者であり、Wikia Searchの推進者でもあるJimmy Wales氏は、Wikia Searchの発展は「長期的なプロジェクト」になるとの確信を明らかにしていた。しかしながら、現在の厳しい経済事情により、「あらゆる物事の見直し」を図ることを余儀なくされ、「売り上げを確保するために、必要な措置を講じざるを」得なくなったと、Wales氏は語っている。
Wikia Searchは、適切な軌道に乗せることができなかった。Wales氏は「このプロジェクトの道のりは、あまりにも長いものであった。一般に十分利用可能なレベルに達するまでには、少なくとも、さらに1〜2年を費やすことが必要であり、それを資金的に支えることは、現時点では困難である」と述べた。
成功に至るまでの時間的な要素は大目に見たとしても、Wikia Searchは、ユーザー数という観点からして、厳しい状況にあった。Wales氏によれば、過去半年の月間ユニークユーザー数は、わずかに1万人ほどであり、とてもではないが、リソースを注ぎ込むのに足る数字ではなかった。Wikia Searchの打ち切りに伴い、2名の正社員が職を失うことになる。
一方、Wikiaの他のプロジェクトは、3000万人規模の月間ユニークユーザー数を記録していると、Wales氏は明らかにしている。たとえば、「Wikia Answers」などのプロジェクトは、非常に急速な成長を遂げている。
Wales氏は、「もし経済事情が好転すれば、Wikia Searchの再開も検討したい」と語っているが、依然として同氏は、ほとんどの検索アルゴリズムや手法をプロプライエタリにしている、他のGoogleを始めとする検索エンジンとは異なり、検索はオープンでなければならないと考えている。
Googleは2008年11月、ユーザーによる特定検索結果の順位引き上げ、追加、削除、注釈の追加を可能にする「SearchWiki」の提供を開始した。Googleは、ユーザーがSearchWikiを通して加えた、検索結果への変更を記録しており、再び同じ検索を実行する時には、調整された検索結果や注釈などが表示されるようになる。
Wikiaが、ユーザー生成型の情報参照に焦点を合わせた検索事業を打ち切るのと時を同じくするかのように、Microsoftは、(百科事典の)参考文献に関連した事業の打ち切りを決定した。由緒ある専門家編集形式の、(以前はCDメディアの形で提供されていた)オンライン百科事典の「Encarta」は、まもなくサービスを停止する。
Microsoftは30日、Encartaの打ち切りが予定されていることを、正式に発表した。このニュースに関して、Wales氏は、「多くの知識を結集させた(Encartaの)終了は、実に遺憾である」と語った。Wikiaは、Microsoftに対して、Encartaのデータを無料のライセンスで利用可能とし、その一部をWikipediaに取り込んでいくための交渉を進めていることも、Wales氏は明らかにしている。
Wales氏は、理論的に言うならば、Wikipediaが、Encartaの全資産を吸収することも可能であると述べている。とはいえ、参考文献としての(Encartaの)情報量は、それほど多くはないため、「Wikipediaのコミュニティーにとって、それほど有用な資産になるとは考え難い。ただし、豊富な画像資料は役立つかもしれない」と、Wales氏は語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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