プライバシー擁護団体の電子プライバシー情報センター(Electronic Privacy Information Center:EPIC)は、「Gmail」「Google Docs」「Google Calendar」などのGoogle製ウェブアプリケーションについて、政府が認定した「保護対策が検証可能な形で確立される」までサービス停止命令も視野に調査するよう米連邦取引委員会(FTC)に申し立てた。
申し立てが認められた場合、ワシントンD.C.にいるFTCの手強い法律家たちを満足させるようにアプリケーションが改訂されるまで、多くのインターネット利用者が自分の電子メールや文書にアクセスできなくなる可能性がある。サービスが停止されれば、影響は「Google Apps」を有料利用している企業にまで及ぶだろう。
広範な影響が予想されるこの申し立ての書簡は、EPICのディレクターMarc Rotenberg氏らの名で、米国時間3月17日にFTCへ提出された。申し立ては、利用者の「秘密情報を十分に保護する」ために、正式な政府の決定があるまでGoogleのすべてのクラウドコンピューティングサービスを停止させる正式な差し止め命令が必要だとしている。
17日の電話取材に対して、弁護士で非常勤の法学教授でもあるRotenberg氏は次のように述べた。「自動車の座席に確実に取り付けられないチャイルドシートがあると言えば、FTCは直ちにメーカーに対して『問題を解決せよ』と命ずるだろう。そうした製品が市場に出れば、消費者がリスクを負うことになるからだ。クラウドコンピューティングも同じだ。人々はリスクにさらされている」
申し立ての約1週間前、Google Docsのワープロ文書とプレゼンテーション文書にかかわる不具合が明らかにされている。Googleによると、不具合の影響を受けるのは同社サイトに保存されている文書のわずか0.05%だけで、該当するGoogle Docs利用者には通知済みであるという。また、文書の共有相手は以前に文書を共有したことのある利用者に限られるとGoogleは述べた。
EPICは、さらなる懲罰として、EPICおよび同様の考えを持った権利擁護団体の財政的支援に充てるための「公的基金」に500万ドルを支払うようGoogleに命ずることをFTCに求めている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」