IDC Japanは2月19日、2008年第4四半期の国内PC市場出荷速報を発表した。ビジネス市場は金融危機の影響を受け需要が落ち込んでいる一方、家庭市場は低価格ミニノートブックPCにより需要が活性化したという。
同四半期の世界市場におけるPC出荷台数は7621万台で、前年同期比1.9%減となった。APEJ(日本を除くアジアパシフィック)および米国は、出荷台数が前年同期に比べて減少したものの、EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)と日本は伸びている。EMEAの成長率は2.2%、日本は3.7%(出荷台数は346万台)となり、日本の堅調さは際だっている。
日本の堅調の要因は、低価格PCによるもの。国内低価格PCの出荷台数は、2008年第3四半期の約30万台から40万台に増加した。低価格PCを含めたポータブルPCの出荷台数は、前年同期比24.7%増と大幅に伸びた。
ベンダーシェアの順位は前期と変わらなかった。傾向としては、ビジネス市場における落ち込みが少なく、家庭市場で出荷台数を伸ばしたベンダーがシェアを上げる結果となっている。1位は、前年同期比で4.2%増と出荷台数を伸ばしたNECで、金融危機以前に受注していた案件がこの四半期に出荷されたため、ビジネス市場における落ち込みが少なかったことが寄与した。
2位は富士通。全体では前年同期を下回ったものの、春モデルを年末に前倒しして出荷したことが寄与し、家庭市場ではシェア1位となっている。3位はデルで、家庭市場のポータブルPCの出荷台数を大きく伸ばした。ただし、ビジネス市場が落ち込み前年同期よりも出荷台数は減っている。4位は東芝、5位は日本HPだった。
IDC Japanパーソナル・コンピューティング グループマネジャーである片山雅弘氏は「2008年第4四半期の家庭市場では、低価格PCだけでなく、既存のポータブルPCも二桁の成長となった。この勢いは2009年第1四半期もそのまま続くと見ている。特に新入学にあたる今期は、ブロードバンドを引くことができない学生がイー・モバイルとセットでPCを購入する機会が増えるであろう」と予測している。
なお、ビジネス市場の2009年第1四半期は年度末の決算を3月に控え、出費を抑える企業が増えるため、2009年の中で最も厳しい状況になる可能性があるとしている。
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