Belkin、アマゾンにおける偽レビュー問題で謝罪

文:David Meyer(ZDNet.co.uk) 翻訳校正:湯本牧子、小林理子2009年01月20日 14時49分

 ネットワーク周辺機器メーカーBelkinは米国時間1月18日、同社製品に対する偽の好意的なレビューについて、従業員の1人が人々に報酬の支払いを提示して投稿するよう依頼した事実を認めた。

 Belkinはこの従業員の行為について謝罪した。これは、同社製品に対する既存の否定的なレビューをかすませ、Amazon.comにおける同社の評価を人為的に高めようとするものだった。

 The Daily Backgroundのウェブサイトに掲載された16日付の記事によれば、Belkinで事業開発を担当しているとみられるMark Bayardなる人物が、「Amazon Mechanical Turk」サービスを利用し、ユーザーに対してレビュー1件につき65セントでBelkin製品に好意的なレビューを書くよう求めたという。これを依頼するにあたり、ユーザーは該当の製品をまったく使ったことがなくても、ましてや実際に持っていなくても問題はないとされた。Mechanical Turkは、製品説明を書く場合など、機械ではできない細かな作業を人手によって代行するオンラインサービスだ。同サービスもAmazon.comが運用している。

 BelkinのプレジデントMark Reynoso氏は18日、自社のウェブサイトに文書を掲載し、一連の依頼が「まったく個人的な行為」だと述べた。

 Reynoso氏は次のように記している。「当社従業員の1人がAmazon Mechanical Turkのウェブサイトに数多くの呼びかけを掲載し、ユーザーに対して金銭と引き換えに当社製品に好意的なレビューを投稿するよう求めた可能性があることを知って、大きな驚きと失望を覚えた」

 「当社は、このような倫理にもとる行為にはかかわっていないし、これを認めてもいない。人々が、他のユーザーによる偏りのない意見を求めてオンライン上のユーザーレビューに注目することは認識しており、今回のような事件は、こういったやり取りを支えている絶対的な信頼を損なうものだ。われわれは、ユーザーコミュニティーに対する当社の責任を不可侵のものと考えており、今回の事件を非常に遺憾に思っている」

 Reynoso氏によればBelkinは、すべてのレビュー依頼をMechanical Turkシステムから「直ちに」削除し、同社の「オンラインチャネルパートナーと緊密に連携して、これらの依頼により書き込まれた可能性のあるすべてのレビューを確実に削除する」ことにしている。

 Reynoso氏は、次のように記している。「当社の小売パートナーがこれらの依頼について関知しておらず、関与もしていなかったことは是非ご理解いただきたい。重ねて、今回の件に関してお詫び申し上げるとともに、当社が失った信用を取り戻すため真摯に取り組んでいく所存だ」

 The Daily Backgroundによれば、好意的な評価を付けるよう依頼された製品は、Amazon.comに掲載されている「Belkin F5U301 CableFree 4-Port USB 2.0 Hub with Dongle」だという。19日の時点で、Amazon.comにおける同製品の評価は、5つ星中1.5星となっている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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