検索サイトの利用状況は、視聴率の中でも特に顧客の関心が高いデータであり、どのような指標でみるべきかについてはさまざまな意見がある。特にメディアが好んでとりあげる「シェア」に関しては、定義や集計方法次第で結果が大きく変わってしまうため、日本ではニールセン・オンラインから検索シェアの公表は一切行っていない。
また、ニールセン・オンラインの新NewViewにてレポートされている「検索チャネル/サーチ・カテゴリ」は、検索サイト(Google、Ask.jp、Baiduなど)においては各サイトのトップページの利用状況(利用者数、ページビューなど)も含まれてレポートされている一方、ポータルサイト(Yahoo!、MSN/Windows Liveなど)においては各サイトのトップページの利用状況(利用者数、ページビューなど)が含まれていないため、検索サービスの利用状況を双方のサービス間で比較する場合には適正ではない。
検索エンジン別のクエリー(検索語入力)回数の推計ができれば理想だろうが、視聴率データからは技術的な制約もある。そこで、視聴率から比較的簡単に算出でき、実情に近い指標と思われるのが「検索結果表示ページ」のページビュー数である。ポータルトップページの検索窓、ツールバーやブラウザの検索メニューなど検索の入口は多様であっても、検索を行えばその結果ページは必ず表示されるからだ。
そこで、昨年10月に導入した新仕様のデータを使い、家庭+職場における主要検索サービスの検索結果表示ページビュー数を算出してみたのが以下の結果である。1回の検索語入力で何ページも開く場合もあるので検索回数とは異なるものの、検索サイトは検索連動広告ビジネスと不可分であり、結果表示のページビュー数はスポンサーサイト/リンクの表示回数とも相関があるため、参考になろう。
検索サービス名 | 家庭+職場からの利用 |
---|---|
Yahoo!検索 | 3,536,499 |
Google検索 | 2,568,437 |
MSN/Windows Live検索 | 219,011 |
goo 検索 | 144,852 |
Biglobe検索 | 97,199 |
Nifty検索 | 48,575 |
Infoseek検索 | 47,177 |
Excite検索 | 23,648 |
Baidu検索 | 47,380 |
これをみると、Yahoo!が提供する検索サービスが、家庭と職場の合算で35億3600万ページビュー、Googleが提供する検索サービスが同25億6800万ページビューとなっており、この2サービスが突出して利用されていることがわかる。
検索市場は世界的に見ればGoogleが圧倒的首位に立っているものの、日本ではYahoo!検索が長くトップを維持している。中国や韓国でも地元生まれのサービスが強い。14日付日本経済新聞の記事によれば、今月1日Google日本法人社長に就任した辻野晃一郎氏は「海外ブランドではなく自国ブランドとして存在感を強めないとトップシェアは狙えない」とし、世界均一戦略を修正して日本独自の営業戦略をとることを明らかにしている。両者の競争はますますホットになりそうだ。
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