マカフィーは12月11日、米McAfeeによるサイバーセキュリティに関する年次調査報告書「McAfee Virtual Criminology Report」を発表した。サイバー犯罪者は個人ユーザーの不安や懸念につけ込んでおり、世界不況が不正行為の温床となっていると警鐘を鳴らしている。
McAfee Virtual Criminology Reportは、主要研究者、刑事弁護士、世界中の警察当局、セキュリティ専門家からの情報提供により、新たに生じているサイバーセキュリティの世界的傾向を調査し、報告書にまとめたもの。今回のレポートでは、5つの課題を取り上げている。
課題のひとつ目は「サイバー金融不安」。サイバー犯罪者は個人ユーザーの不安を利用し、「楽に金銭が手に入る」と呼びかけて悪性コードが仕込まれたサイトにサインアップさせる詐欺で儲けている。また、職探しに必死な求職者が「国際営業マン」「発送担当マネージャ」という名目で、サイバー犯罪者の儲けの資金洗浄をするために「マネーミュール(金の運び屋)」として採用されている。
景気低迷によって人々がより惑わされやすくなるにつれて、サイバー犯罪の攻撃チャンスは増加している。2つ目の課題は「政治的混乱」。政府が景気低迷に重点を置くと、サイバー犯罪撲滅運動が政府の検討議題から外れ、サイバー犯罪の深刻度を増す機会が生じるという。
3つ目は、最前線にいる捜査官がサイバー犯罪と効果的に闘うために必要な専門的技術を持っていないという「サイバー捜査官の不足」、4つ目は、ロシアと中国がサイバー犯罪にとって安全な避難場所になっている「隠れた犯罪行為」を課題としている。
5つ目の課題は、サイバー犯罪が国を超えて急速に協働する一方で、警察当局は物理的な国境に縛られており、各国間の意思疎通には依然として一貫性がないという「情報サイロ:問題の急速な拡大」とのことだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」