IDC Japanは12月9日、国内通信事業者のセキュリティサービス市場規模の実績および2008年から2012年までの予測を発表した。2008年末時点での市場規模は2872億円で、今後も順調に成長すると見ている。
2007年から2012年における年間平均成長率(CAGR)は21.0%で、2012年の市場規模は5852億円に達する見込み。内訳は、セキュリティ計画が751億円(CAGR:21.6%)、セキュリティ設計構築が1506億円(同19.4%)、セキュリティ運用監視が3594億円(同21.6%)だ。
システムの更改やコア業務への集中といった理由から、セキュリティシステムを自ら構築、運用するのではなく、事業者が提供するサービスを利用する傾向が出てきている。特にファイアウォールやウイルス対策など、コモディティ化が進んでいるセキュリティ対策については、中堅中小企業を中心に需要が拡大するとIDCではみている。
大企業では、外部からの脅威が複雑化、巧妙化していることに加え、コンプライアンスを強化するために、より高度なセキュリティ対策を必要とするところが増えている。事業者が運営するセキュリティオペレーションセンター(SOC)は、自社内で脆弱性情報や攻撃方法などを把握し、対応策を検討、実施するものとして期待されている。
国内通信事業者を含むセキュリティ関連サービス提供事業者は、こうした市場ニーズに応えるため、「専門性、網羅性の高いサービスの商品化で大企業に訴求する」「効果の可視化とともに企業規模に見合った価格設定で、中堅中小企業に訴求する」「ネットワークサービスと一体化したSaaS/ASP型サービスを拡充する」といった、自社サービスの一層の強化、拡充を図る必要があるとIDCでは結論づけている。
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