オウケイウェイヴとマイクロソフトは11月19日、Q&Aサイト「OKWave」および「MSN相談箱」において、動画や音声、画像を使って質問や回答ができる「マルチメディアQ&Aサービス」を開始した。
サービスの内容は11月11日に開催された「CNET Japan Innovation Conference 2008(CJIC 2008)」でマイクロソフト コンシューマー&オンラインマーケティング統括本部オンラインマーケティング本部 業務執行役員の浅川秀治氏が語ったとおり。犬のしつけの方法や巻き髪をセットするコツ、外国語の発音など、文章では書きにくいものも簡単に表現できる。
OKWaveは月間ユニークユーザー数が4100万人、質問数は類型1700万件という、国内最大のQ&Aサイトだ。マイクロソフトを含む約100社にQ&Aデータを提供しているほか、Q&Aシステムを約200社に納入している。OKWaveに寄せられた質問「今週妻が浮気します。」は書籍化、テレビドラマ化されるほどの人気となった。
オウケイウェイヴは3月に米Microsoftと資本提携している。今回のマルチメディアQ&Aサービスは、マイクロソフトのQ&Aサービスチームとオウケイウェイヴが話し合いを進める中で生まれた企画だという。ユーザーからの要望も多かったことから、導入を決めた。
オウケイウェイヴ代表取締役社長の兼元謙任氏は、「動画サービスはこれまで、ユーザーが投稿するということだけが先行していて、どういう動画が必要か、どういうときに上げればほかのユーザーにも役立つか、という点では『楽しい』ということに限定されていた」と兼元氏は動画サービスの現状を分析する。動画の使い方をエンターテインメント以外の分野にも広げようというのが、今回のサービスの意義の1つになる。
この時期にサービスを開始するということについては、「まずトランザクションがないと、マルチメディア機能があっても機能過多になる。その面では、インターネットで動画を利用することが一般化した現在がちょうどいいタイミングなのではないか」(兼元氏)とした。
パートナー関係を結ぶ上で、マイクロソフトがOKWaveを評価したポイントの1つが、サイトの管理体制の強固さだ。テキストに関しては自動チェックシステムを導入しているが、動画については1つずつ目視で確認するという。また、ユーザーからの通報や、「レフリー」と呼ばれるユーザー代表者による監視で対応する。
「現実の街と一緒で、信号やお巡りさんの数、配置位置などを整備することで、きちんとした環境が成り立つ。運営者がそういったことをきちんとすれば、知らない人同士でも安心して出会える場所になる」(兼元氏)
兼元氏が理想とするのは、あらゆる人が安心して、気軽に知らない人でもわからないことを訊きあい、教えあえる環境だ。マルチメディアへの対応はうまく伝えたいことを文章で表現できない人への敷居を下げたが、今後はPCの苦手な人でも利用しやすい環境を整える方針だ。
第一弾として、マルチメディアQ&Aサービスを携帯電話に対応する。すでに3キャリア対応のモバイルサイトは開設しており、近日中に動画などの投稿、閲覧ができるようにする。「写真や動画は携帯電話からのほうが投稿しやすい」(兼元氏)
さらに、メールやFAX、音声通話からでも質問ができるようにする。「できるだけいろんな人が助け合ってほしいので、窓口は広いほうがいい。よりバリアフリーにしたい」(兼元氏)
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