社団法人日本文藝家協会は、出版社約500社に対して「書籍検索」システムに関する要望書を送付した。要望書には過度な公開を控えること、公開の際には著作権者に必ず許諾を得ることなどが盛り込まれているという。
書籍検索システムは書籍の文章や内容が閲覧できるネットサービス。アマゾンをはじめ、グーグル、ヤフーなどが提供している。書名や作者だけでなく、書籍内の文章や内容の一部からでも検索が可能だ。
同協会ではこれまで、販売促進の目的でこのシステムの運用を許可。また、閲覧できる範囲を書籍総ページの20%までとし、著作権者の許諾を必ず得ることや当面は文芸書を対象から外すという条件で、これを認めてきた。
しかし、同協会の理事会で一部の公開であっても、作品の大部分が読めてしまうような書籍の存在が明らかにされた。例えば、短編集や人物エッセイ集、詩歌・短歌・俳句集などは、20%の公開でも一作品全部が読めてしまったり、根幹部分が明らかにされてしまったりすることが危惧されている。
今回の要望書では、出版社が書籍検索を許可する際に、掲載により作品を読了したと思わせるような公開に注意し、著作権者の許諾を必ず得るよう改めて要請している。
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