Secuniaが新たに公表した報告書(PDF)では、脆弱性への対策をとることと、デスクトップを狙うマルウェアを防ぐことの重要性が改めて強調されている。
この報告書によると、「セキュリティベンダーは脆弱性に重きを置いていない」という。そして、Symantecの「Norton Internet Security 2009」はテストされたその他のセキュリティスイート11製品を抑えて最高位となったものの、「300件の脆弱性を突く攻撃のうち、たったの64件、すなわち4分の1以下しか検出することができず、236個の攻撃は検出できなかった」という。全体として見れば、これら12の製品はすべて、同報告書において「F」という評価を受けている。
Secuniaの採用したテスト方法は、AV-test.orgやAV-comparatives.orgといった団体によって行われる従来のテスト方法とは異なっている。従来のテスト方法では、複数のマルウェアを用いることで、セキュリティ製品のオンデマンド性能や発見的な性能を実証していた。これに対してSecuniaのテストでは脆弱性そのものを突くエクスプロイト(ウイルスやワームではない)を用いることで、優れたファイアウォールやウイルス対策ソフトウェア、その他のマルウェア対策ソフトウェアを導入する必要性だけではなく、ユーザーが脆弱性に対するパッチをあてることの重要性についても実証している。Secuniaは、近ごろの犯罪者が最も好むのは脆弱性を突く攻撃であると述べており、どのような脅威にも対処できると主張していた、今回のテストの対象となったセキュリティベンダーを槍玉に挙げている。
Secuniaは、脆弱性スキャナを提供している唯一の製品として「Kaspersky Internet Security」を採り上げている。ただし、この製品のテスト結果は良くなかった。
しかし、Sunbelt SoftwareのAlex Eckelberry氏はSecuniaの報告書を「役に立たないテスト」であるとして批判している。また、Secuniaの報告書で使用されている方法論を批判する声は他にも上がっている。
セキュリティ業界では、マルウェアのテストを標準化する動きが出てきている。新たに設立された「Anti-Malware Testing Standards Organization」は、「マルウェア対策のためのテスト方法における客観性や品質、適切さを改善するニーズが世界的にある」と述べている。同組織は現在、テストにおけるベストプラクティスと、マルウェアのテストにおける基本原則について、それぞれ報告書をまとめるべく、意見を募っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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