トレンドマイクロは7月3日、2008年度上半期のインターネット脅威レポート、および2008年6月度のインターネット脅威マンスリーレポートを発表した。2008年上半期の日本国内における不正プログラム感染被害報告数は1万4878件と、前年同期の3万7363件と比べて大きく減少した。
上半期の不正プログラムの感染報告では、USBメモリなどリムーバブルメディアの自動実行機能を悪用する「MAL_OTORUN1」が最も多く報告され、報告数は2月から5月まで4カ月連続で1位となった。不正プログラムの多様化が進み、順位の入れ替わりが激しい最近では珍しい現象であるとしている。
また、オンラインゲームの情報を盗む不正プログラムが大量に作成、配布されたのも上半期の特徴。上半期はオンラインゲーム関連の不正プログラム「TSPY_ONLINEG」が、作成(検体数)と配布(URL数)から総合的に見ると最も多く、ウイルス作成者がオンラインゲーム関連の情報詐取に注力したことがうかがえるとしている。
2007年から猛威を振るっている「ウェブからの脅威」は、2008年上半期も勢いを維持しており、「JS_IFRAME」を使用した不正なウェブサイトへの誘導が頻発している。また、不正なドメインのうち約46%が、確認されてから30日以内に削除されている。不正プログラムの配布者の多くが、短期間で配布場所を変更することで捜査機関からの追跡を避けようとしている姿勢が読み取れるとのことだ。
6月の不正プログラム感染被害の総報告数は4232件で、5月の3167件から減少した。ウェブサイトでダウンロードされるバックドア「BKDR_AGENT」や、不正ウェブサイトにリダイレクトする「JS_IFRAME」が上位となった。また、「TSPY_ONLINEG」が引き続き6位に入っており、6月もオンラインゲーム関連の情報を盗もうとする攻撃者の狙いがうかがえる。
2008年上半期の不正プログラム感染被害報告数ランキング上位は、1位が「MAL_OTORUN1」(517件)、2位がバックドア「BKDR_AGENT」(316件)、3位がJavaScript「JS_IFRAME」(233件)、4位がトロイの木馬型「TROJ_VUNDO」(97件)、5位がトロイの木馬型「TROJ_DELF」(72件)となった。
2008年6月のランキング上位は、1位がバックドア「BKDR_AGENT」(86件)、2位がJavaScript「JS_IFRAME」(75件)、3位が「MAL_OTORUN1」(61件)、4位が「MAL_HIFRM」(47件)、5位が「MAL_NSANTI」(18件)となっている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」