マーケティング担当者は、一部の消費者が「行動ターゲティング」として知られる手法に対して懐疑的であるということを認識する必要がある。eMarketerのレポートがこのように報告している。
「Behavioral Targeting Attitudes: The Privacy Issue(行動ターゲティングに対する態度:プライバシー問題)」と題して米国時間6月27日に公開されたこのレポートは、消費者の情報を収集し、それを利用することで、彼らが興味を持ったり、関連性があると思う可能性のある広告を配信するというデジタル広告戦略について調査したものである。これは、Googleの大成功を収めている「Google AdSense」だけではなく、Facebookの「Social Ads」やMySpaceの「HyperTargeting」といった話題のプログラムの基盤となっている(Gmailで友人と週末の旅行についてやり取りした後、メールの内容を表示すると別荘の広告が表示されるようになるのもこの戦略のせいである)。
このレポートの要点を抜き出すと、「消費者は自らのニーズに合った広告を欲しているものの、その広告が自らのニーズに合っているとどう判定されているのかに対して複雑な感情を抱いている」ということになる。
eMarketerは、インターネットユーザーの70.5%が自らのウェブ閲覧行動は第三者によって広告目的で追跡されている可能性があるとそれなりに認識している、というTrustEの調査を引用している。しかし、そういった人々の中で、自らの行動がモニターされても構わないと答えた人の割合は、ウェブ閲覧行動データが外部組織と共有されることも、個人情報が明かされることもないと確約されているという条件があっても、約23%にとどまるという。
ターゲット広告は非常に慎重な扱いを要するテーマであり、政治的な右派と左派の双方のプライバシー擁護者が懸念を表明している。ISPの行動ターゲティング活動に対して批判がなされ、合法性を問う意見が高まり、IT企業の幹部が議論の場に引き出されている。
この調査では、広告企業が行動ターゲティングに関する詳細を消費者に伝え、彼らに対して参加するか否かを決定させる選択肢を提供すべきであると主張している。eMarketerはレポートの公開時にリリースで、「消費者が行動ターゲティング広告を拒否するのではなく歓迎するようにするための1つの方法は、そういった広告の受け入れに同意するようお願いすることである」とし、「より関連性のある広告が表示されるなど、同意する本当のメリットについて彼らに伝えるべきだ」と述べている。これは、Internet Advertising Bureau(IAB)が推奨してきたことと同じである。
しかし、広告業界にとってより深刻な問題は正確さだろう。eMarketerが引用しているTrustEの調査によると、配信されたターゲット広告の4分の1以上が関連のあるものだったと答えた調査回答者は12.6%に過ぎない。低すぎる数値だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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