ビデオゲームには、がん患者を救ったり、サバイバル遺伝子を活性化させたりする働きがあることが報告されている。新しい調査報告によると、今度は急性うつ病や注意欠陥障害(ADD、Attention Deficit Disorder)の患者にもゲームが有効であるという。
ゲームメーカーPopCapの依頼によりInformation Solutions Groupが実施した調査によると、疾患を抱えているゲームユーザーは、カジュアルゲームユーザーの20%を占めており、健康への好影響を理由にほかの人々よりも頻繁にプレイすることが分かったという。
PopCapはカジュアルゲームのメーカーであるため、この調査結果に多大な関心を示しているのは当然である。その事実を差し引いても、今回の調査からは、興味深い結果が得られている。
同調査では、1万3000人のユーザーに対し、ビデオゲームの利用についてアンケートを実施した。このうち約2800人が、精神的、身体的、または発育上の障害などを抱えていると答えた。回答者が最も多く挙げた疾患は、関節炎、急性うつ病、ADDであった。
同調査によると、疾患を抱える回答者の94%がカジュアルゲームによって、ストレス発散、気分の高揚、病気を忘れさせてくれる、集中力の向上、精神的なトレーニングなど、身体的または精神的な効果が得られると考えているという(カジュアルゲームとは、ワードやパズルのゲーム、ボードゲーム、昔ながらのアーケードゲームなど、ソフトウェアベースのエンターテインメントを指す)。
また同調査結果によると、疾患を抱えるプレーヤーの多くがほかのプレーヤーよりも長い時間をビデオゲームに充てているという。1日あたりのプレイ時間と1週間あたりのプレイ日数は平均して共により多く費やされていた。また疾患を抱えるプレーヤーの10%が、医学的専門家により治療の一環としてカジュアルゲームをするようにと処方されていると答えた。
調査の回答者は、好きなカジュアルゲームとしてパズル、雑学クイズ、アーケードビデオゲームを挙げた。カードゲームと宝探しゲームは、疾患を抱えるプレーヤーが挙げた好きなゲーム上位5種類のうちの50%を占めた。
ゲームと健康との関連性は、以前から指摘されている。例えば「ニンテンドーDS」の「Brain Age(脳を鍛える大人のDSトレーニング)」などのゲームは、特に精神的な効果に注目した製品である。また「Wii」のフィットネスゲームを、脳卒中患者が運動能力を回復し、また心的外傷を受けた後に転倒への恐怖心を克服するために利用する方法についての研究も進められている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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