Yahooの最高技術責任者(CTO)Ari Balogh氏とYahoo Open Strategy(Y!OS)のチーフアーキテクトNeal Sample氏が米国時間4月24日、「Web 2.0 Expo」基調講演後に数人の記者を交えた昼食会の席で、Yahooを一から作り直す構想についてより詳しく語ってくれた。
Balogh氏によると、Yahoo共同創設者で最高経営責任者(CEO)のJerry Yang氏は個人的に、Y!OSプロジェクトに関心を持っているという。Y!OSは、Yang氏が2007年6月にTerry Semel氏から同社CEOを引き継いだ際に立案した100日構想の一環で、すでに本格的に始動している。Balogh氏は、MicrosoftがYahooに買収を持ちかけてくる前にY!OSがスタートしていた点を強調した。Balogh氏は、Microsoftが2008年2月1日、Yahooに買収提案を行う直前に、VeriSignからYahooに移ってきている。
Y!OSは、Yahooサイトのページビューと滞在時間だけでなく、同社の売り上げも大きく伸ばすものと期待されている。Y!OSにより、Yahooの営業活動によるキャッシュフローは3年で約2倍になり、現在の19億ドルから37億ドル程度に成長する見込みだという。
Balogh氏によると、同社は「Y!Open」と呼ばれる同プロジェクトの初期版を、2008年内にリリースする計画だという。Y!Open初期版には、Yahooの複数のプロパティを対象にした開発環境、ソーシャルな「アクティベータ」とソーシャルグラフエンジン、イベントエンジン、ユーザー用の単一プロフィールなどが含まれる予定だ、とBalogh氏は述べた。
Sample氏の説明によると、アクティベータエンジンは、異なる関連性のグループを結びつけ、たとえば「Yahoo Mail」のアドレス帳と「Yahoo Messenger」の連絡先リスト、Flickrの友人リスト、「Yahoo 360」「Yahoo Mash」のデータなどを関連づけるものだという。また、ユーザーのプライバシー保護には十分に注意し、ユーザーの同意なしには情報の関連づけは一切行わない、とSample氏は付け加えた。
「われわれは、Yahooを構成し直して、単一のプロフィールを使って複数のフィードを作成できるようにする必要がある。それは、フィードとWebサービスAPIを利用し、これらのメカニズムを階層化してプラットフォームに組み込むための方法だ」と、Balogh氏は述べた。
Yahooは、GoogleやMySpaceとともにOpenSocial Foundationに加盟しており、アプリケーションフレームワーク(下図参照)の一部としてOpenSocialの仕様を採用する計画だ。OpenSocialの仕様を採用すれば、主要なソーシャルネットワークにアプリケーションを移植する場合に、改変することなしに実行させることが可能になる。ただし、今のところFacebookはOpenSocialの仕様をサポートしていない。
ユーザーは、Yahooの各種アプリケーションをOpenSocial準拠のソーシャルネットワークへ組み込む作業を、単一のコントロールパネルから実行できるようになる。また、これはOpenSocialの仕様で求められていることではないが、開発者は、他のサービスと統一されたYahooユーザー体験を提供するよう奨励されると、Sample氏は述べた。
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