花王(尾崎元規社長)ヒューマンヘルスケア研究センターと鶴見大学歯学部 眼科学講座・後藤英樹准教授は8月31日、VDT(Visual Display Terminal)作 業で目が疲労するとピント調節力が低下することを明らかにした。また、約40度の蒸しタオルで目を温めると、こうしたピント調節力の低下やドライアイが 改善することを科学的に実証した。
パソコンを長時間使用するVDT作業を主業務(1日あたり約6時間従事)とす る16人を対象に、疲れ目の程度をピント調節力で評価した。その結果、VDT作 業によってピント調節力が低下する傾向があると分かった。さらに、休日明け 初日の月曜日と週末の金曜日を比較すると、5日間で顕著にピント調節力が低 下していた。
同じ被験者に対し、VDT作業終了後に蒸しタオルで目を温めるという方法が どのような影響を及ぼすかを検討した。その結果、心地よいと感じる約40度の 蒸しタオルを目にあてて、3分間(蒸しタオル1本を使用)、もしくは約10分間 (蒸しタオル5本を連続使用)温めることで、VDT作業で低下したピント調節力 が回復することが明らかになった。また、蒸しタオル使用後の感想を調べたと ころ、3分間に比べ、10分間と長く温めた方が効果を実感する人が多いことが 分かった。
また、ドライアイと診断される27人を対象に、蒸しタオルで目を温めたとき のドライアイ改善効果を調べた。その結果、約40度で3分間温めた場合、改善 率は5%程度だったが、10分間温めた場合は36%の改善が認められた。
こうした実験結果から、VDT作業で目を酷使している実態が明らかになった とともに、疲れ目やドライアイのケアとして、家庭でもできる「蒸しタオルで 目を温めること」が有効であることを確認した。実験結果は、07年10月11-14日に京都で開催する日本臨床眼科学会で発表する。
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