多くのインターネットユーザーのブックマークからいま話題となっているウェブページを抽出する「はてなブックマーク」、ユーザー間のコミュニケーション機能が特徴のブログサービス「はてなダイアリー」。これら2つの人気サービスに強力なライバルが登場した。
Twitterである。そのタイムライン上には友人が薦めるお店や役に立ったサイトなどのURLが溢れたり、毎日何らかのテーマについて議論が発生している。これらはそもそもはてなの得意分野だったはずだ。はてなはTwitterとの付き合い方をどのように考えているのだろうか――。
というような素朴な疑問をはてな執行役員最高技術責任者の伊藤直也氏に投げかけてみた。
それはありますね。はてなブックマークに限らず、いままではてなが担っていたネットコミュニケーションの一部を、Twitterが持っていったのかなと思っています。
少し前だったら、ネット上でメールアドレスを知らない人とコミュニケーションをとるために、はてなの「id:○○」でつながることがよく見られましたが、それがいまはTwitterの「@○○」に置き換わっています。
あと気になったURLを「これ面白かったよ」って誰かに伝えるときに、最近はTwitterを使う人も多いですよね。はてなダイアリーとはてなブックマークのいいところを一部持っていかれているというのは確かに感じています。
ただ一方で、はてなブックマークはURLのストック情報としては優れています。Twitterに流れていくURLを全部見るのは大変ですし、集合知的な意味でのソーシャルフィルタリングもされていないので、どのURLを見ていいのかがわからないという課題もあります。
そういう点では、はてなブックマークの人気エントリーや、お気に入りユーザーがブックマークしているURL一覧などは、はてなでなければ見つけられない情報になります。
TwitterにダダーっとURLがフローとして流れていて、それをはてなブックマークが拾ってまとめてストックし、後から見返せるようにする。今後はそういった役割分担になるかもしれません。
これまではTwitterと真正面からぶつかるところをどうしようかと議論していましたが、いまは考え方が変わってきています。この部分はTwitterがインフラになってくるだろうからTwitterに任せよう、でもここは僕たちの領域として強化していこうという考え方になってきました。
ブログもそうです。はてなダイアリーはブログである一方で活発にコミュニケーションが取れるサービスですが、ダイアリーが担っていたコミュニケーションの一部はTwitterが持っていっています。であれば、はてなダイアリーはしっかりとブログとして長文を残すというところにフォーカスしていった方がいいよねと考えています。
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