JavaFXが米国時間12月4日にリリースされた。米ZDNet.comはこの日、Sun Microsystemsの最高経営責任者(CEO)であるJonathan Schwartz氏にインタビューを行い、JavaFXやFlash、Javaの将来に関する同氏の思いを語ってもらった。
大局的に見ると、われわれがFXプラットフォームを開発することになった本当の理由は3つあると考えています。まず第1に、私が話をしたことのある企業にとっては明白なことなのですが、ブラウザというものが敵対的な環境になっているという点を挙げることができます。MicrosoftがWindowsのデフォルトブラウザ設定をコントロールすることでInternet Explorerの普及を推し進めていることは明らかですし、GoogleはChromeの提供に加えて、Firefoxの主要スポンサーとなることで優位な位置に付けているということも明らかです。一方、その他のブラウザは開発者が重視しなければならないほど普及していません。しかし、Javaプラットフォームが普及していることは明らかなのです。実際のところ、その勢いは現時点で圧倒的なもの(1カ月のダウンロード数は6000万~8000万)となっています。あなたもおそらくご存知でしょうが、Microsoftは最近になって、この勢いを利用するための契約をSunと締結しました。こういったことが起こったのは、われわれの勢いがMicrosoft自身のインストールベースのそれを上回っているからなのです。
われわれは、開発者自身が自らの消費者を惹きつけ、そういった消費者との関係を樹立する能力を獲得したいと考えているということを理解しています。JavaFXにおける「アンスナップ」という機能について理解していただければ、開発者がコンテンツを配布し、消費者がそのコンテンツをデスクトップ上にドラッグ&ドロップするだけで済むということの素晴らしさを理解してもらえるはずです。こういったことが可能になると、自分たちのビジネスを第一義に考えているTicketMasterのような仲介業者を置くことなく、開発者サイドだけでサービス対象の消費者にアクセスできるようになるのです。
第2の理由は、(自動車のダッシュボードやセットトップボックスの機能を増やしていくという方向ではなく)携帯電話やスマートフォン、Netbook、新型のデスクトップPCが次々と発売される、すなわちさまざまなインターネットクライアントが続々登場するようになっているため、そういったクライアントそれぞれに対するコンテンツの個別開発が重荷になってきているという点にあります。JavaFXを利用したJavaプラットフォーム上では、こういったデバイスすべてに対応するリッチなアプリケーションを、最小限の開発作業で作り出すことができるのです。そしてここでも、種々多様なテクノロジをサポートしているこういったデバイスすべてがJavaプラットフォームになるという素晴らしさを理解していただけると思います。
最後の理由として、Sunが以前から製品を提供してきているたくさんの顧客、すなわち数多くの大企業は既にJavaやネットワークサービスに関するスキルを保有しており、既存システムをデバイスごとに個別対応することなくインターネット対応させる方法を知りたいと考えているという点を挙げることができます。JavaFXというパフォーマンスの非常に高いコンピューティングプラットフォームを利用することで、リアルタイム性が要求されるマルチメディアから手の込んだユーザーインターフェースや複雑なアルゴリズムにいたるまでのあらゆるものを実現できるリッチな基盤が提供されるのです。
こういった理由から、われわれは今こそが全力を尽くし、これまでで最も強力なJavaプラットフォームを提供すべき時だと判断したわけです。
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