2007年9月にSix Apartの会長兼CEOに就任したChristopher J. Alden氏。テクノロジー業界誌「Red Herring」を発行するRed Herring Communications社の共同創業者兼CEO、フィードアグリゲーションサービス「Rojo」を提供するRojo共同創業者兼CEOと、インターネットビジネスの先端で走り続けた同氏はSix Apartで何を目指すのか。
私はもともとイノベーションや新しいビジネスアイデアというものに大変興味を持っており、自分たちで新しい会社を作っていこうとしました。そこで90年代にRed Herringを立ち上げ、雑誌だけでなく、ウェブサイトやカンファレンスの運営を行うようになり、メディアや出版の重要性を感じました。
2002年にはRed Herringを出て、Movable Typeで自分のブログを立ち上げたのですが、そこで無数にあるコンテンツをアグリゲート(集める)することの重要性に気づきました。1つの場所に自分の必要な情報をすべて集め、自分の友人たちを使ってさらにおもしろい情報を探す、と言うことです。そしてRojoを開始しました。
RojoとSix Apartのオフィスはもともと近かったこともあり、ボードメンバーたちとも親交がありました。そこで私はSix Apartの「ブログでコンテンツを出す」ということと、Rojoの「コンテンツを集めて探す」ということが1つに集約されていくのを感じました。
そういった経緯がありSix Apartと一緒にやっていくことになり、Movable Typeのゼネラルマネージャーとして働き始めました。当時、Movable Typeは顧客のニーズのためにもう一歩進化するべきだと考えていました。それは「コンテンツマネジメントシステム(CMS)としての利用」「コミュニティーの強化」「企業の既存システムとの連携」という3点です。使い方も個人的なブログから企業においてで何十人もで利用するケースもあると考えました。
8月にリリースされたMovable Type4はMovable Typeのネクストジェネレーションと言っても良いでしょう。今までのリリースの中で最も時間をかけ、エネルギーを入れた製品になります。単純に「ブログ」だけではなくコミュニティーのサービスでも利用され、非常に高い評価を得ています。また9月にはiPod touchに対応したほか、モバイル向けの機能も強化しました。
この一方で2007年はじめにはTypePadのマネジメントも担当することになりました。TypePadは世界最大の有料ブログサービスです。米国でも人気があるだけでなく、欧州や日本でもさまざまなパートナーシップを結んでいます。
TypePadもCMSとしての機能やコミュニティーの機能強化を望む声がありますが、この6カ月以内にバージョンアップする予定です。Voxを見ていただくと理解できるかも知れませんが、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の要素が入ります。
欧州、日本、米国でもユーザーの考え方には近いものがあります。ですので、ユーザーからのリクエストは似ています。ただ、日本では(ニフティやNTTコミュニケーションズなど)良いパートナーシップがありますね。また、欧米ではコンシュマーに対してダイレクトにサービスを販売できるが、日本ではパートナーを通じてサービスを販売するということが多いです。
Movable Typeはあくまでプラットフォームです。個人でもビジネスでも利用できるというもので、今後はさまざまなニーズに対応できるようにしていきたいですね。たとえばマーケティングに特化したもの、パブリッシングに特化したものなどです。また、企業内で利用できるような製品にも育てたいと考えています。さまざまなデータベースや承認システムと連携し、大人数での利用できるものですね。
TypePadはASPサービスなのでメンテナンスの必要がなく、低価格のサービスです。手軽にデザインをカスタマイズできるほか、さまざまウィジェットなどを導入することができます。一方のVoxは個人のための「Life Bloging」といってよいでしょう。家族や友人と情報を共有できます。LiveJournalは25歳以下のユーザーを数多く保有する学生向けのサービスと言えます。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」