「ホビット」を追って - (page 2)

文:Caroline McCarthy(Special to CNET News.com) 翻訳校正:編集部2007年02月28日 09時00分

 私は、National Geographicが番組を作りたがっていた時、これは正しく行われなければならないと言いました。古いスタイルで、頭蓋をゴムで型どりするのではなく、です。これは非常に重要で、まずCATスキャンを行い、それからバーチャル頭蓋腔を作る必要がありました。その方がはるかに正確で、よいデータが得られますし、はるかに信頼性があります。私は頭蓋腔に30年間取り組んでおり、頭蓋骨のゴムの型どりも沢山やりました。この方法でもある程度の情報は得られるのですが、進むべき道はハイテクです。

--利用したソフトウェアは何でしたか?人類学者用に作られたものなのですか、それとも医療関係者の間では標準的に使われているものですか。

 非常にたくさんのプログラムがありますが、実際に3次元オブジェクトの計量で使ったのはGeoMagicと呼ばれるものです。これは工業デザインや医療など、何にでも利用できます。

 一度バーチャル頭蓋腔をこのGeoMagicで作ってしまえば、それを操作したり、回したり、スライスしたり、サイコロ状に切ったりできますし、体積の計測を含め、あらゆる種類の計測手段を備えています。

--ホビットの件は大変多くプレスに露出しました。プレスがこの話を報道する際、一番ありがちな間違いはなんですか。

 それは簡単な質問です。私はPNASで論文を発表してから、メディアの前で何度も話しました。一部の人は、議論自体のセンセーショナルな面に焦点を当てすぎ、使われた技術に注意を払いません。多くの人は、研究そのものを読んでいません。電話でインタビューをしてくる人がいるのですが、私が「このページでは」と言うと、「ああ、私はその論文を見ていないんです」と言います。彼らはロイターで読んだようなことしか知りません。

--メディアについてですが、この「ホビット」というニックネームは、発見した人たちがつけたのですか、それともプレスや一般の方がつけたのですか。

 私は、発見した人たちではないかと思っています。発見者がこういうことをするのはよくあります。発見物にニックネームを付けるのです。

--この件についてのメディアや一般の方の反応の速さと、ホビットと呼んで指輪物語と結びつけることについて、どう思われますか。

 気が利いていると思います。私は気にしていませんし、あの名前でこの件が身近になることは、良いことです。私は200人ほどの学生がいる大きな人類学の授業を持っており、そこでは長いラテン語の名前がたくさん出てきますので、彼らはニックネームを気に入っています。一般の方や学生にとってのきっかけ作りが簡単になります。ですから、私は気にしていませんし、ある意味で楽しくもあります。

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