マイクロソフトCEOのバルマー氏、Vista後を語る(前編)

文:Mike Ricciuti(CNET News.com) 翻訳校正:編集部 2006年12月13日 08時00分

 ニューヨーク発--2006年の年末商戦は必ずしもMicrosoftの期待通りには進んでいない。

 登場が待ち望まれていたMicrosoft初の携帯音楽プレーヤー「Zune」は、批評家の間で評価が分かれており、消費者の反応もにぶい。11月30日にはようやく「Windows Vista」が登場したが、企業向けバージョンのみだ。「Windows XP」の後継として、5年以上をかけて開発してきたWindows Vistaを、Microsoftは肝心かなめの年末商戦に消費者の手に届けることができなかった。同社の第2のドル箱商品である「Office 2007」も同様だ。

 それでも、Microsoftの最高経営責任者(CEO)Steve Ballmer氏は不安はないと言う。会長のBill Gates氏と同様に、Ballmer氏もZuneはいずれ、Apple Computerの「iPod」に迫る存在になると見ている。Microsoftは11月30日にWindows VistaとOffice 2007を企業ユーザー向けにリリースした。これは大企業の内部で厳しい実地テストが始まることを意味する。消費者がWindows VistaとOffice 2007を手にするのは2007年の1月30日になる。

 大々的に報じられることはなかったが、Microsoftは11月30日にExchange Serverの新バージョン、セキュリティソフトウェア、データマイニングツールなど、30を超えるエンタープライズソフトウェア製品も発売した。これらの製品が同社の収益に与える影響はVistaやOfficeと同じくらい大きい。これらの製品やその他の製品により、WindowsはVoIP、ビジネスインスタントメッセージング、ビデオといった技術をより効果的に扱うことができるようになるだろう。

 先頃、Ballmer氏はCNET News.comのインタビューに応じ、Vista後の世界、iPodとの戦い、モバイルデバイスの重要性の増大などについて語った。

--Vistaがついにリリースされました。ほっとしましたか。

 興奮しています!

--Vista関連の作業はほぼ片付いた--あるいは、もうすぐ片が付くと思いますが、社内のリソースを(Longhorn Serverなどの開発作業に)自由に使えるようになりましたか。

 Windowsの次のバージョンに取り組むことになるので、人数を維持するか、減らすか、あるいは増やすかを考えなければなりません。今後もWindowsのイノベーションには非常に大規模なチームで取り組んでいく予定です。もちろん、新しいことを始める者もいるでしょう。上層部の社員など、一部の社員は別の分野に移動すると思います。

 Windowsに関しては、やりたいこと、やらなければならないこと、できることがたくさんあります。マスコミの質問は新機能に集中しがちですが、まずはハードウェアを効果的に利用するために「やらなければならないこと」をする必要があります。また、重要なイノベーションは今後もたくさん起こりうることに異論の余地はないでしょう。

--確かにマスコミの注目は目玉の機能に集中する傾向があります。2004年に話題になったWinFS(ファイルシステム)はそのよい例です。これらの機能の開発は今も続いているのですか。

 もちろんです。たとえば、「(Windows)Presentation Foundation」に関しては戦略を議論しましたし、金融アナリスト向け会合では4つの大きな柱についてお話しました。4つの柱とはデスクトップと個人の生産性、エンタープライズ、エンターテインメントデバイス、そしてオンラインです。

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