最終更新時刻:2008年10月7日(火) 16時25分

日本進出が決まった中国最大の検索サービス「百度」の実態

永井美智子( 編集部)、西田隆一(編集部)

2006/12/06 01:17  

 インターネットのサービスの中で中国で最大、世界で第4位(Alexaのデータによる)の訪問者数を誇る「百度」(Baidu、バイドゥ)が、2007年に日本語版サービスを開始するという。バイドゥはご存じのとおり、中国国内ではグーグルをはるかにしのぐ、中国語の検索サービスだ。だが、日本でも名前は知られているものの、その実態は不確かである。

日本展開も視野に入れたバイドゥとは、どういったサービスを展開する企業で、いかにして中国最大の名を冠するまでになったのか。バイドゥの会長兼CEOであるRobin Li氏に話を聞いた(このインタビューは11月22日に行われた)。

--バイドゥについては日本でもマスコミで取り上げられることがありますが、まだ情報が少ないです。さらに、中国のインターネットのマーケットについてもあまりは知られていません。まずはバイドゥという会社について教えてください。

 バイドゥは、中国語の漢字で「百度」と書きます。それは100回という意味で、中国古来の詩に由来します。大切なものを探すときに、100回ぐらいいろいろな場所を探しますが、意外な場所から発見をするということだそうです。

 1999年に検索サービスを開始して、2003年末には中国で最大の検索エンジンとなりました。2005年8月には米国のNASDAQ市場に上場し、時価総額は38億米ドル(2006年12月6日時点)。訪問者数は世界で4番目、アジアでは最大です。検索エンジン、ウェブサーチ、ニュースサーチ、画像サーチ、MP3サーチなどを手がけていて、従業員は2700人います。

--なぜ1999年に検索サービスを始めようと思ったのですか。

会長兼CEOのRobin Li氏

 1991年に北京大学を卒業して、その後アメリカに渡りました。ニューヨーク州立大学バッファロー校で情報科学の修士号取得して、アメリカのインターネット業界で6年間働きました。その6年間は、検索に特化した事業に携わり、ウォール・ストリート・ジャーナルの金融関連ニュース専門の検索エンジンを開発しました。また、1997年の夏にはシリコンバレーで、第2世代のインフォシークの検索エンジンを開発しました。

 6年間、検索にかかわる仕事を通して、検索というものが消費者の中に根本的な需要として存在していると感じました。その当時、中国のインターネット市場が拡大していまして、そこで検索エンジンの需要も大きくなるだろうと考え、中国に一度戻ることを決断しました。

--そのとき、中国では主要な検索サービスはなかったのですか。

 まだ、中国語で正確に検索できる強いサービスはありませんでした。2000年に我々が第一弾の検索サービスを開始したときに500万のウェブページが登録されていましたが、それがその当時最大のものでした。現在は30億のウェブページが登録されています。大きな数字だと理解していただけましたか。

--2000年当時はGoogleもまだそれほど強大ではなくて、検索ビジネスそのものもあまり注目されていないときだったと思います。

 Googleは、2000年9月に日本でサービスを開始し、同じタイミングで中国でもサービスを開始しました。それから徐々に認知度も上がり、利用されるようになりました。その当時は、ユーザー指向な検索エンジンというよりは、ポータルとして技術を追求するという役割もありました。

--検索をしてその結果を返すだけ、検索の技術を提供している会社だったということですね。

 Googleがサービスを開始した1年後の2001年9月に、私たちバイドゥが検索サービスを提供することになりました。中国語の検索エンジンとしてページビューはトップではありませんでしたが、すぐに追い付けました。

--それはなぜでしょうか。つまり、どこがユーザーに支持されてナンバーワンになったのですか。

 まず、検索を専門に特化して展開していたということと、エンジニアのやりたいことを提供するのではなくてユーザーから求められているものを提供する姿勢を持っていたことがあったからだと思います。

--今の「エンジニアのやりたいこと」ではなくて、ユーザー指向でサービスを提供しているというのは、裏を返すとGoogleはエンジニアがやりたいことを製品化しているということを暗に対照的に言っているのでしょうか。

 そういうことも言えますが。

--一度、Googleから投資を受けていると思いますが、それはどういう経緯なのでしょうか。たしか、2006年になってGoogleがその株を売却していると思いますが。

 Googleが利益を得たのはもちろんですが、バイドゥにとってもGoogleが投資してくれたことによって、投資の世界の中で認知度が高まるというメリットがありました。今、焦点となってくるのは、どこと競合するかというより、中国市場をこれからどのように成熟化させていくかということです。やはり検索サービスについて認知度を上げることと、ユーザーの検索に関する教育が必要で、どのように成熟させていくかがこれからの課題です。

--Googleとは資本関係は一時期あったけれども、そのほかに例えば人材や技術的な交流だとか、あるいは技術的に何か供与するだとかはなかったのでしょうか。

 特にそういった交流はありませんでした。

特集

経済危機時代の技術起業家たち--変えるのは製品ではなく戦略
経済危機のただ中にある現在、新興企業の資金調達は厳しくなっているが、起業家たちはこの状況でも楽観的だ。
グーグルの米国エネルギー問題解決策--22年計画「Clean Energy 2030」の内容
自社での節電を積極的に進めているグーグルが、米国政府に国内のエネルギー問題を解決する計画を提案した。

オピニオン

■インタビュー

Windows VistaにとってXPはライバルか?--マイクロソフト グローバルマーケティング担当Brad Brooks氏Windows VistaにとってXPはライバルか?--マイクロソフト グローバルマーケティング担当Brad Brooks氏
コンシューマー市場向けの取り組みを強化すると発表したマイクロソフト。日本におけるWindows VistaやWindows Media Centerの現状をどう見ているのか、コーポレートバイスプレジデントのブラッドブルックス氏に話を聞いた。
「iPodを日本で一番売りたい」--ビックカメラ有楽町店に聞く新iPodの魅力「iPodを日本で一番売りたい」--ビックカメラ有楽町店に聞く新iPodの魅力
発表後初の週末となった9月13日に、新iPodファミリーの店頭イベントを開催したビックカメラ有楽町店本館で、店長の石川勝芳氏に、iPodの販売状況と店内での取り組みについて伺った。

■コラム

ソフトバンク株価の下落加速--iPhone一巡し資金繰りを懸念ソフトバンク株価の下落加速--iPhone一巡し資金繰りを懸念
日経平均が約4年10カ月ぶりに1万円の大台を割り込む中、ソフトバンクの株価が、全般相場の低迷にも増して下落が加速している。
ユーザー中心アプローチの時代ユーザー中心アプローチの時代
企業におけるネットマーケティングの成否の分かれ目は、ユーザ行動特性の理解と「ユーザ中心」に基づく戦略・設計にある。ビービットの500を超えるユーザビリティコンサルティングの実績をもとに、ビジネス成果を最大化するネットマーケティングの本質に迫る。
台頭するスーパーインフルエンサー--Universal McCann調査より台頭するスーパーインフルエンサー--Universal McCann調査より
Universal McCannが調査報告で論じた「新たなスーパーインフルエンサー」の台頭。ここでは、インターネットだけでなく実世界でも大きな影響を及ぼすスーパーインフルエンサーについて検証する。

企画特集

KDDI「SaaSソリューション」KDDI「SaaSソリューション」
〜社内コミュニケーションの課題への解決策とは〜
エンタメCGM「gooメーカー☆メーカー」エンタメCGM「gooメーカー☆メーカー」
【第1回】開発者に訊く!各機能と開発の狙いとは

ブログネットワーク

アルファブロガー

外資系エグゼクティブの日々I am Jamming!
外資系エグゼクティブの日々
村上敬亮 情報産業の未来図ネットワーク型産業構造への衣替え?
村上敬亮 情報産業の未来図
クロサカタツヤの情報通信インサイトグッバイ、レバレッジ!(1)
クロサカタツヤの情報通信インサイト
末吉隆彦 ロケーションウェアの「空」と「実」9月イベントお知らせ
末吉隆彦 ロケーションウェアの「空」と「実」
ケータイ時代のスタンダードiPhonista Nightの事後報告
ケータイ時代のスタンダード
江島健太郎 / Kenn's Clairvoyance新サービスをローンチしました
江島健太郎 / Kenn's Clairvoyance
鈴木健の天命反転生活日記パラレルワールドとしての電脳コイル
鈴木健の天命反転生活日記

読者ブロガー

WEB製作者の為のSEO対策スパム
WEB製作者の為のSEO対策
ケータイのこちら側iPhoneがついに”emoji”に対応
ケータイのこちら側
オープンソースCMS GeeklogがWEBの標準になる日OSC2008Tokyo/Fallで勉強会大集合開催
オープンソースCMS GeeklogがWEBの標準になる日
インターネットの裏側を探しましょ月5000円を得るための代償
インターネットの裏側を探しましょ
ネットのニュース.logiPhone2.2では、絵文字に対応?
ネットのニュース.log
それでも開発は続くよすでに土砂降りのIT業界
それでも開発は続くよ

リサーチ

■リサーチコラム

薬事法規制の厳しい健康食品に代わり、増え続ける化粧品メーカー
薬事法規制が厳しくなる今、特に規制が厳しい健康食品にかわって化粧品を販売しようとする企業が増えている。そこで、覚えておきたい化粧品と薬事法の関係について簡単にまとめた。
携帯電話の待ち受けに関する調査--最も利用される画面は「自分で撮影した写真」
携帯電話の待ち受け画面に関する調査を実施したところ、10・20代は飽きやすく待ち受け画面を頻繁に変更する傾向にあり、30・40代は季節感や臨場感を重視することが明らかとなった。
電子マネーによるライフスタイルの変化に関する調査--電子マネーコアユーザーは、高所得者層
電子マネーによるライフスタイルの変化に関する調査したところ、電子マネーを活用するのは高所得者層に多く見られた。また、1度に1万円以上チャージするユーザーは10%強であることも明らかになった。

■調査レポートダウンロード

中小企業における情報セキュリティ対策の問題点とその解決策としてのUTM
NECソフトアンケートレポート 次世代ネットワークNGNに期待することは?

■調査発表

第22回価格.comリサーチ「デジイチ徹底調査!―あなたのこだわりは?―」結果
調査結果「成人の適齢は?『20歳』4割半、『18歳』は2割半」
調査結果「携帯灰皿、喫煙者の9割が所有」

イベント情報

コンプライアンス基礎講座(標準編)
主催:あずさビジネススクール株式会社
申告書作成のための税務実務
主催:あずさビジネススクール株式会社
申告書作成のための税務実務
主催:あずさビジネススクール株式会社

CNET Japan セレクション

ココが変わった、新型「ニンテンドーDSi」--「ニンテンドーDS Lite」と比較
任天堂が11月1日に発売する新型ゲーム機「ニンテンドーDSi」はどんな点が新しいのか。既存のニンテンドーDS Liteと比較するとともに、新機能を紹介する。
フォトレポート:本体が分離するNTTドコモの「セパレートケータイ」の謎に迫る
NTTドコモは家電展示会「CEATEC JAPAN 2008」において、端末が2つに分離できる携帯電話「セパレートケータイ」を展示している。どのような仕組みなのか、何ができるのかを、写真で紹介する。
話題のスマートフォン、写真で見るBlackBerry Bold
RIM製スマートフォン「BlackBerry」の新モデル「BlackBerry Bold」を2008年度第4四半期にも発売すると発表したNTTドコモ。話題のBlackBerry Boldを写真で紹介する。
こんなものもありました--CEATECで見つけたオモシロ新技術たち
幕張メッセで開催されている展示会「CEATEC JAPAN 2008」では、幅広い分野の最新技術が一堂に会している。ここではその中でもユニークな新技術や展示を紹介する。
「iPhone 2.2」アップデートの概要が明らかに--App Storeのインターフェースなど変更
アップルは、新たな「iPhone 2.2」アップデートのリリースに向けて準備を進めている。Safariに加え、App Storeのインターフェース変更などが予定されている。
ケータイはまだまだ進化する--CEATECで見た未来の技術
幕張メッセで開催されているデジタル家電の展示会「CEATEC JAPAN 2008」では、携帯電話関連の新技術が数多く展示されている。その様子を写真で紹介する。

今日の見どころ

こんなものもありました--CEATECで見つけたオモシロ新技術たち

ケータイはまだまだ進化する--CEATECで見た未来の技術

まるで「宇宙ケータイ」--太陽電池で発電する、au端末のコンセプトモデル

レビュー

[レビュー]2011年画質を備えた高画質、多機能Blu-ray--ソニー「BDZ-X95」
ソニーのBlu-ray Discレコーダー新製品が登場した。2007年から引き継がれる「やりたいことから選ぶ」シリー
今週の新製品総チェック:よりモバイルPCとして進化した「Let's note」が登場
松下電器産業の「Let's note」、デルのデスクトップPCとPC新製品が数多く登場した。Let's noteは9時間駆動
今週の新製品総チェック:フルサイズCMOS搭載のキヤノン「EOS 5D Mark II」が登場
キヤノンからもフルサイズCMOSセンサを搭載した「EOS 5D Mark II」が登場した。合わせてコンパクトデジカメ
今週の新製品総チェック:第4世代iPod nano登場、ソニー「α」、松下「LUMIX」に新機種も
デザインを一新したiPod nano、容量増されたiPod touchなど、新iPodファミリーが登場した。その後を追うよ

CNET_ID

メンバー限定サービスをご利用いただく場合、このページの上部からログイン、またはCNET_ID登録(無料)をしてください。