しかし、アグリゲータはまだ初期の段階です。iTunesは確かに大手のミュージックストアですが、扱っている楽曲はポップスが中心です。iTunesでは、楽曲を、アルバム別、バンド別、曲別に分類していますが、これはクラシックファンにとっては不公平です。クラシックでは、指揮者、作曲家、ソリスト、第一バイオリンといった情報が重要だからです。ですから、特定のジャンルやコンテンツだけを専門に扱い、利用者が求めている情報を最適な形で提供するニッチアグリゲータに、ビジネスチャンスがあるのではないかと思います。
制作者です。ロングテールというのは、コンテンツを作成し、その利用者を探している、何百万何千万という人たちで構成されています。ネット上のブロガたちを見てください。彼らは、マスメディアのテール部分を百万倍にも拡張しています。彼らには言いたいことがあり、ブログはいとも簡単に作成できるからです。
ですから、「ロングテール」がもたらした本当の教訓とは、プロが作成してアマチュアが消費するという従来の図式が崩れて両者の境界があいまいになり、アマチュアもプロと同じくらい制作に貢献できるということ、何より、アマチュアの数は圧倒的に多いということをわれわれが認識するようになったという点にあるのではないかと思います。その最たる例がWikipediaだと思います。
おっしゃるとおりです。しかし、先ほども言いましたが、アグリゲータはまだ初期の段階です。たとえば音楽業界では、iTunesが圧倒的なシェアを誇っていますが、これからミュージックストアはいくつも登場してくるのではないかと思います。そして、人々が差別化に価値を見いだし始めると、広い範囲のニーズや嗜好に答える大量消費商品ではない何かを提供するサービスが、アグリゲータのロングテールになっていくでしょう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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